方針
直線と放物線の原点以外の交点を先に求めると、P を通る縦線は x=a+b と分かる。S は放物線が x 軸の下にある 0≦x≦b の面積、T は放物線が x 軸の上にある b≦x≦a+b の面積として積分する。(2) は比 T/S=5 を、正の比 u=b/a に直して3次方程式を因数分解する。
解答
(1)
直線と放物線の交点は ax=x2−bx で決まる。整理すると x(x−a−b)=0 であるから、原点と異なる交点 P の x 座標は x=a+b である。したがって、P を通り y 軸に平行な直線は x=a+b である。
放物線 y=x2−bx=x(x−b) は、0<x<b で x 軸の下側にある。よってS=∫0b{0−(x2−bx)}dx=∫0b(bx−x2)dx=[2bx2−3x3]0b=6b3である。
一方、b<x<a+b では放物線は x 軸の上側にあるので T=∫ba+b(x2−bx)dx である。計算するとT=[3x3−2bx2]ba+b=3(a+b)3−b3−2b{(a+b)2−b2}=6a2(2a+3b)である。
(2)
条件 T/S=5 より b3a2(2a+3b)=5 である。ここで a,b>0 なので u=b/a とおくと、u>0 であり u32+3u=5 となる。すなわち 5u3−3u−2=0 である。左辺は 5u3−3u−2=(u−1)(5u2+5u+2) と因数分解できる。u>0 では 5u2+5u+2>0 だから、解は u=1 だけである。したがって b=a である。
別解
解法2:区間を標準化して積分する
方針
S では x=bu、T では x=b+au とおき、どちらも
0≦u≦1 の積分へ標準化する。比は u=b/a で無次元化する。
解答
(1)
S で x=bu とおくとS=b3∫01u(1−u)du=6b3.T では x=b+au とおくとT=a2∫01u(b+au)du=6a2(3b+2a).(2)
r=b/a>0 とおけばST=r32+3r=5.したがって5r3−3r−2=(r−1)(5r2+5r+2)=0.第2因子は正なので r=1、ゆえにb=a.
総評
難度5、計算量5。交点の位置を出してから、放物線と x 軸の上下関係に応じて面積を積分する問題である。想定時間は20分程度。S と T は積分区間がそれぞれ 0≦x≦b、b≦x≦a+b で異なるため、符号を取り違えないことが重要である。(2) は u=b/a とおくと正の解だけを調べればよく、二次因子が正であることまで書くと完結する。 2解法の結論を相互照合し、定義域、符号、端点、等号成立条件を確認した。 問題に即した高校数学の範囲だけで構成した。
冊子PDFで見る九大の積分の問題で問題集を作る
出典: 九州大学 1990年度 数学(大学公式の問題PDF)。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。