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九州大学 1993年度 後期日程 第2次学力試験理系(後期)数学 第4問

g(x)を連続関数とし,f(x)f(x)=0xg(t)sin(xt)dtで定義された関数とする.

(1) f(0)およびf(0)の値を求めよ.

(2) f(x)f(x)g(x)の間の関係式を求めよ.

(3) f(x)g(x)が,関係式g(x)=sinx+f(x)を満たすとき,
f(x)g(x)を求めよ.

難易度6/ 10計算量5/ 10目安18

積分微分三角関数 定積分評価、式変形、計算整理

方針

積分の上端と sin(xt)x 依存に注意して f を微分する。1回微分すると f(x)=0xg(t)cos(xt)dt,さらに微分すると端点から g(x) が出て,残りが f(x) になるので f(x)+f(x)=g(x) を得る。(3)では g(x)=sinx+f(x) を代入して f(x)=sinx とし,(1)で得た初期値 f(0)=f(0)=0 で積分定数を決める。

解答

(1)
定義式に x=0 を代入すると,積分区間の長さが0なので f(0)=0 である。

次に f(x) を求める。上端から出る項は g(x)sin0=0 であり,sin(xt)x で微分すると cos(xt) になる。したがって f(x)=0xg(t)cos(xt)dt である。よって f(0)=0 である。

(2)
さらに微分する。上端から出る項は g(x)cos0=g(x) であり,cos(xt)x で微分すると sin(xt) になる。したがって f(x)=g(x)0xg(t)sin(xt)dt である。定義式より右辺の積分は f(x) だから f(x)=g(x)f(x) である。すなわち求める関係式は f(x)+f(x)=g(x) である。

(3)
条件 g(x)=sinx+f(x) と(2)の関係式を合わせると f(x)+f(x)=sinx+f(x) である。よって f(x)=sinx を得る。

(1) より f(0)=0f(0)=0 である。まず f(x)=sinx を積分すると f(x)=cosx+C1 である。f(0)=0 より 1+C1=0 だから C1=1 である。したがって f(x)=1cosx である。さらに積分して f(x)=xsinx+C2 となる。f(0)=0 より C2=0 であるから f(x)=xsinx である。

最後に g(x)=sinx+f(x) へ代入して g(x)=x を得る。実際,この f,gf(0)=f(0)=0f+f=g を満たすので,求める関数は f(x)=xsinx,g(x)=x である。

別解

解法2

方針

(1) (2)では積分上端から現れる項を明記して微分する。(3)では f=sinx を不定積分で2回解く代わりに,初期値がともに0であることを使った二重積分表示へ直し,部分積分1回で f を直接求める。

解答

(1)
積分区間が1点に縮むのでf(0)=0.また上端からの項は g(x)sin0=0 だからf(x)=0xg(t)cos(xt)dt.したがってf(0)=0.(2)
もう一度微分すると,上端から g(x)cos0=g(x) が現れ,f(x)=g(x)0xg(t)sin(xt)dt=g(x)f(x).よってf(x)+f(x)=g(x)である。

(3)
g(x)=sinx+f(x) を(2)へ代入するとf(x)=sinx.さらに(1)より f(0)=f(0)=0 である。この初期値を保ったまま2回積分するとf(x)=0x(xt)sintdt.右辺を計算してf(x)=x0xsintdt0xtsintdt=x(1cosx)(xcosx+sinx)=xsinx.したがってg(x)=sinx+f(x)=x.よってf(x)=xsinx,g(x)=xである。

総評

積分で定義された関数を2回微分して,微分方程式へ直す問題である。目安時間は18分。端点の項が1回目は g(x)sin0=0,2回目は g(x)cos0=g(x) になる違いを明確に書くとよい。(3)は g=sinx+f を代入すると f が消えて f=sinx になるのが決定的である。初期値 f(0)=f(0)=0 は(1)で求めたものをそのまま使うため,積分定数を残さないように処理する。

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出典: 九州大学 1993年度 後期 理系 数学。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。