方針
曲線 Ck を y=(1−k)x2+kx=x2+k(x−x2) と書き直す。(1)では点 P=(u,v) を通る条件を k について解き,u=0,1 のときはそれぞれ A,B になることを確認してから一意性を示す。(2)では放物線の頂点座標を k で表し,0≦k<1 から範囲を読み取り,最後に k を消去して軌跡の方程式を得る。
解答
(1)
与えられた方程式は (k−1)x2−kx+y=0 であるから,y=(1−k)x2+kx=x2+k(x−x2) と書ける。
点 P=(u,v) が曲線 Ck 上にあるとする。もし u=0 なら上の式から v=0 となり,P=A である。もし u=1 なら v=1 となり,P=B である。いま P は A,B 以外だから u=0,u=1 である。
このとき v=u2+k(u−u2) より k=u−u2v−u2 と決まる。分母は u=0,1 により0でないので,k は高々1つしかない。したがって,点 P を通る放物線 Ck はたかだか1つである。
(2) Ck は y=(1−k)x2+kx であり,0≦k<1 だから2次の係数 1−k は正である。頂点の x 座標を X,y 座標を Y とすると X=−2(1−k)k であり,Y=(1−k)X2+kX=−4(1−k)k2 である。
ここで 0≦k<1 から X≦0 である。逆に X≦0 に対して k=2X−12X とおけば 0≦k<1 を満たすので,範囲は X≦0 で尽くされる。 X=−2(1−k)k から k=2X−12X である。これを Y=−4(1−k)k2 に代入すると Y=2X−1X2 を得る。したがって頂点が描く曲線は y=2x−1x2(x≦0) である。
別解
解法2
方針
(1) では2つのパラメータ k,ℓ に対応する曲線の式を引き算し,共通点が A,B に限られることを示す。(2)では r=k/(1−k) と置いてパラメータ区間を r≧0 に直し,頂点座標から r を消去する。
解答
(1)
P=(x,y) が Ck と Cℓ の両方にあるとする。2つの方程式を引くと(k−ℓ)(x2−x)=0.k=ℓ なら x=0 または x=1 である。x=0 をもとの式へ代入すると y=0 なので P=A,x=1 なら y=1 なので P=B である。したがって P=A,B なら k=ℓ でなければならず,P を通る Ck は高々1つである。
(2) r=1−kkとおく。0≦k<1 と r≧0 は同値であり,1−k=1+r1,k=1+rr.よってCk:y=1+rx2+rx.頂点を (X,Y) とするとX=−2r,Y=−4(1+r)r2.r=−2X を代入してY=2X−1X2.また r≧0 は X≦0 と同値である。逆に任意の X≦0 に対し r=−2X≧0 とすれば対応する k が得られる。したがって軌跡はy=2x−1x2,x≦0である。
総評
放物線の束を,パラメータ k の一意性と頂点の軌跡に分けて調べる問題である。目安時間は18分。(1)では u=0,u=1 の場合を先に除外することで,分母 u−u2 が0でないことを保証できる。(2)は頂点公式を使うだけでなく,0≦k<1 が x≦0 に対応することを確認する必要がある。方程式だけを書いて範囲を落とすと不完全になる。
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出典: 九州大学 1993年度 後期 理系 数学。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。