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九州大学 1993年度 前期日程 第2次学力試験理系数学 第1問

放物線の焦点を通る直線がこの放物線で切り取られてできる線分を考えるとき,
それらの中点の軌跡はやはり放物線となる.次の問に答えよ.

(1) p>0とする.
放物線y2=4pxとその焦点F(p,0)からこの方法で得られる放物線の式とその焦点を求めよ.

(2) 放物線P0:y2=4xからこの方法で得られる放物線をP1とする.
さらにP1からこの方法で得られる放物線をP2とする.
これを繰り返して得られる放物線Pnの式を求めよ.
またnのとき,放物線Pnの焦点はどのような点に近づくか.

難易度6/ 10計算量6/ 10目安24

図形と方程式数列 軌跡漸化式の変形極限計算

方針

まず y2=4px の焦点 F(p,0) を通る直線を y=m(xp) とおき,放物線との2交点の y 座標について2次方程式を作る。解と係数の関係から中点 (X,Y)m で表し,m を消去して中点の軌跡を求める。得られた放物線は頂点が (p,0),焦点距離が p/2 である。繰り返しでは,頂点位置 hn と焦点距離 pn の漸化式を読み取り,等比数列として解く。

解答

(1)
放物線 y2=4px の焦点は F(p,0) である。焦点を通る直線を,まず傾き m を用いて y=m(xp) とおく。ただし,垂直な直線の場合は後で得られる軌跡の端点として含まれる。

この直線上では x=p+ym である。これを y2=4px に代入すると y2=4p(p+ym) すなわち y24pmy4p2=0 となる。2交点の y 座標を y1,y2 とすると,解と係数の関係より y1+y2=4pm,y1y2=4p2 である。

2交点の中点を (X,Y) とする。すると Y=y1+y22=2pm である。また各交点の x 座標は p+yim だから X=p+y1+y22m=p+2pm2 である。ここで Y=2pm より Xp=Y22p となる。したがって中点の軌跡は Y2=2p(Xp) である。通常の座標 x,y で書けば y2=2p(xp) である。

これは y2=4p2(xp) であるから,頂点は (p,0),焦点距離は p/2 である。よって焦点は (p+p2,0)=(3p2,0) である。

(2)
一般に,頂点が (hn,0),焦点距離が pn の放物線を y2=4pn(xhn) と書く。(1)の結果を平行移動して用いると,次に得られる放物線は y2=2pn{x(hn+pn)} である。したがって pn+1=pn2,hn+1=hn+pn が成り立つ。

初めの放物線 P0:y2=4x では p0=1,h0=0 である。よって pn=12n であり,hn=p0+p1++pn1=1+12++12n1=2(112n)である。

したがってPn:y2=42n{x2(112n)}である。Pn の焦点は(hn+pn,0)=(2(112n)+12n,0)=(212n,0)である。よって n のとき,焦点は (2,0) に近づく。

別解

解法2

方針

放物線上の点を媒介変数で表し,焦点を通る弦の両端の媒介変数の積が 1 になることを使う。中点座標から媒介変数を消去すると,一般の頂点位置と焦点距離が一度に更新できるため,反復後の式もその漸化式から求める。

解答

(1)
放物線 y2=4px 上の2点をPs=(ps2,2ps),Pr=(pr2,2pr)と表す。2点を結ぶ直線の傾きは2p(sr)p(s2r2)=2s+rである。この直線が焦点 F(p,0) を通る条件は2psps2p=2s+rであり,整理するとsr=1となる。

弦の中点を (X,Y) とすればX=p(s2+r2)2,Y=p(s+r).sr=1 より(s+r)2=s2+r22だからX=p+Y22p.したがって軌跡はY2=2p(Xp).その頂点は (p,0),焦点距離は p/2 なので,焦点は(3p2,0)である。

(2)
一般にPn:y2=4pn(xhn)と書く。同じ媒介変数計算を x 方向へ hn だけ平行移動して使うと,次の放物線はy2=2pn{x(hn+pn)}.よってhn+1=hn+pn,pn+1=pn2.h0=0,p0=1 からpn=12n,hn=j=0n112j=2(112n).したがってPn:y2=42n{x2(112n)}.焦点は(hn+pn,0)=(212n,0)なので,n を限りなく大きくすると(2,0)へ近づく。

総評

焦点を通る弦の中点を追う軌跡問題である。目安時間は24分。(1)では直線を y=m(xp) と置き,交点を直接求めずに解と係数の関係で中点を出すと計算が短い。垂直な弦は m を用いた途中式からは外れるが,得られた放物線の頂点 (p,0) として含まれる。(2)は毎回,焦点距離が半分になり,頂点が前の焦点へ移ることを読み取るのが中心である。焦点の極限は頂点ではなく hn+pn で計算する点に注意したい。

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出典: 九州大学 1993年度 前期 数学。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。