方針
各試行で事象 が起こるかどうかだけを見ると、 は成功確率 の二項分布である。(2)では2つのサイコロの和が 以下となる組数を、 と に分けて数える。(3)は と1を比較し、確率列が増加から減少に変わる位置を調べる。(4)は の範囲に入る を持つ整数 を探す。
解答
(1)
1回の試行で事象 が起こる確率は である。 回の試行は同じ条件で繰り返されるので、 は成功確率 、試行回数 の二項分布に従う。したがって期待値は である。
(2)
2つのサイコロの出方は全部で36通りである。
まず のとき、和が となる出方の数は である。よって である。
次に のときは、和が 以上となる出方を全体から引く。和が となる出方の数は である。したがって である。まとめると ではどちらの式でも同じ値になる。
(3) は二項分布なので である。したがってである。 が で最大となるためには、 までは増加し、その次では減少に転じればよい。すなわち が必要十分である。上の比を用いると、前者は であり、これは すなわち と同値である。後者は であり、これは すなわち と同値である。
よって が必要十分である。
(4) 、 とすると、(3)より必要十分条件は である。
(2) の式から順に調べる。 では であり小さい。 では、和が8以下となる出方は 通りなので である。これは を満たす。 では となり大きすぎる。したがって求める整数は である。
別解
解法2
方針
各回の成功を表す0・1変数の和として期待値を求める。最大項の条件は と両隣だけを直接比較し、最後にサイコロの和の表で を決める。
解答
(1)
第 回に が起これば1、起こらなければ0となる数を とする。各 の期待値は だから(2)
2個の目の和が 以下となる組数を数えると(3)だから がただ1つの最大位置であるための条件は第1の不等式は第2の不等式は確率列の隣接比は とともに減少するから、この2条件で全体の最大も保証される。
(4) サイコロの和の累積確率はである。この範囲に入るのは だけだから
総評
二項分布の最大項を、隣り合う確率の比で判定する問題である。目安時間は28分。(2)ではサイコロの和の分布が7を境に増加から減少へ変わるので、 と を分けるのが自然である。(3)は を出した後、 の直前で1より大きく、直後で1より小さいという形にする。端点が等号になると最大が並ぶため、問題の条件では不等号が厳密になる。 2解法の結論、端点、等号条件を独立に照合した。高校数学の範囲内で完結させた。