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九州大学 1994年度 前期日程 第2次学力試験文系数学 第4問

画びょうを投げる試行を続け,針が先に上を4回向けば太郎君の勝ち,
先に下を3回向けば太郎君の負けとする.
画びょうが上を向く確率を23とするとき,
次の問に答えよ.

(1) 太郎君の勝つ確率を求めよ.

(2) 5回目で勝負が決まったときに,太郎君が勝った確率はいくらか.

(3) 各回の試行で針が上を向くと太郎君は1点をもらい,下を向くと1点を失う.
この勝負で太郎君の平均得点はいくらか.

難易度6/ 10計算量6/ 10目安20

確率場合の数 数え上げ、条件付き確率、期待値

方針

勝つ場合は最後が4回目の上であり、それ以前に下が 0,1,2 回だけ出てよい。負ける場合は最後が3回目の下であり、それ以前に上が 0,1,2,3 回出てよい。このように終了時刻を最後の一投で分類すれば重複なく数えられる。(2)は5回目で終わる勝ちと負けをそれぞれ数えて条件つき確率にする。(3)は終了時の得点 #U#D を、終了の仕方ごとの確率で重み付けする。平均得点については、状態ごとの期待値を立てる別解も自然である。

解答

(1)

上を U、下を D と書く。太郎君が勝つとき、最後の試行は4回目の U である。その直前までに出た D の回数を j とすると、負けが先に決まらないためには j=0,1,2 であればよい。最後を除く 3+j 回の中に Dj 回あるので、その並べ方は 3+jCj 通りである。

したがって勝つ確率はj=023+jCj(23)4(13)jである。各項を計算すると(23)4+4(23)4(13)+10(23)4(13)2 =1681+64243+160729=496729. (2)

5回目で太郎君が勝つには、最初の4回に U が3回、D が1回出て、5回目に U が出ればよい。よってその確率は4C1(23)4(13)=64243.5回目で太郎君が負けるには、最初の4回に D が2回、U が2回出て、5回目に D が出ればよい。よってその確率は4C2(23)2(13)3=881.したがって、5回目で勝負が決まったという条件のもとで太郎君が勝った確率は6424364243+881=6464+24=811.(3)

勝つ場合を、最後の U の前に出た D の回数 j で分ける。終了時には U が4回、Dj 回なので、得点は 4j である。したがって勝って終わる場合からの平均得点への寄与はj=023+jCj(23)4(13)j(4j)である。

負ける場合を、最後の D の前に出た U の回数 i で分ける。このとき最後の前には D が2回出ているので、並べ方は 2+iCi 通りであり、終了時の得点は i3 である。よって負けて終わる場合からの寄与はi=032+iCi(13)3(23)i(i3)である。

以上より平均得点はj=023+jCj(23)4(13)j(4j)+i=032+iCi(13)3(23)i(i3)である。これを計算すると、勝ち側は41681+364243+2160729=1468729であり、負け側は312722271427+040729=257729である。したがって平均得点は 1468729257729=1211729.

別解

解法2

方針

状態 (u,d) からの勝率 Wu,d と最終得点期待値 Eu,d を後ろ向きに計算する。(2)だけは5回目終了の二つの状態遷移を比較して条件付き確率を求める。

解答

Wu,d を、上が u 回、下が d 回出た状態から最終的に勝つ確率とする。境界条件と漸化式はW4,d=1,Wu,3=0,Wu,d=23Wu+1,d+13Wu,d+1.(1)
終端から逆に計算するとW0,0=496729.(2)
5回目に勝つ確率は4C1(23)413=64243,5回目に負ける確率は4C2(23)2(13)3=881.したがって条件付き確率は64/24364/243+8/81=811.(3)
Eu,d を同じ状態からの最終得点の期待値とする。境界条件はE4,d=4d,Eu,3=u3であり、途中ではEu,d=23Eu+1,d+13Eu,d+1.後ろ向きに代入するとE0,0=1211729.よって平均得点は 1211/729 である。

総評

途中終了する反復試行なので、固定回数の二項分布だけでは全問を処理できない。勝ち数・負け数を状態として終端から確率と期待値を戻すと安全である。(2)は「5回目で終了した」という条件のもとで勝敗を比較する条件付き確率であり、分母を忘れない。

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出典: 九州大学 1994年度 数学。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。