方針
勝つ場合は最後が4回目の上であり、それ以前に下が 回だけ出てよい。負ける場合は最後が3回目の下であり、それ以前に上が 回出てよい。このように終了時刻を最後の一投で分類すれば重複なく数えられる。(2)は5回目で終わる勝ちと負けをそれぞれ数えて条件つき確率にする。(3)は終了時の得点 を、終了の仕方ごとの確率で重み付けする。平均得点については、状態ごとの期待値を立てる別解も自然である。
解答
(1)
上を 、下を と書く。太郎君が勝つとき、最後の試行は4回目の である。その直前までに出た の回数を とすると、負けが先に決まらないためには であればよい。最後を除く 回の中に が 回あるので、その並べ方は 通りである。
したがって勝つ確率はである。各項を計算すると (2)
5回目で太郎君が勝つには、最初の4回に が3回、 が1回出て、5回目に が出ればよい。よってその確率は5回目で太郎君が負けるには、最初の4回に が2回、 が2回出て、5回目に が出ればよい。よってその確率はしたがって、5回目で勝負が決まったという条件のもとで太郎君が勝った確率は(3)
勝つ場合を、最後の の前に出た の回数 で分ける。終了時には が4回、 が 回なので、得点は である。したがって勝って終わる場合からの平均得点への寄与はである。
負ける場合を、最後の の前に出た の回数 で分ける。このとき最後の前には が2回出ているので、並べ方は 通りであり、終了時の得点は である。よって負けて終わる場合からの寄与はである。
以上より平均得点はである。これを計算すると、勝ち側はであり、負け側はである。したがって平均得点は
別解
解法2
方針
状態 からの勝率 と最終得点期待値 を後ろ向きに計算する。(2)だけは5回目終了の二つの状態遷移を比較して条件付き確率を求める。
解答
を、上が 回、下が 回出た状態から最終的に勝つ確率とする。境界条件と漸化式は(1)
終端から逆に計算すると(2)
5回目に勝つ確率は5回目に負ける確率はしたがって条件付き確率は(3)
を同じ状態からの最終得点の期待値とする。境界条件はであり、途中では後ろ向きに代入するとよって平均得点は である。
総評
途中終了する反復試行なので、固定回数の二項分布だけでは全問を処理できない。勝ち数・負け数を状態として終端から確率と期待値を戻すと安全である。(2)は「5回目で終了した」という条件のもとで勝敗を比較する条件付き確率であり、分母を忘れない。