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九州大学 1995年度 前期日程 第2次学力試験理系数学 第5問

ABどちらの袋にも,赤球と白球が1個ずつ入っているとして,次の操作を行う.
2つの袋から無作為に1個ずつ取り出し,同じ色なら2つともAの袋に入れ,異なる色なら2つともBの袋に入れる.
この操作をどちらかの袋の球がなくなるまで続けるとする.
nを自然数とし,2n回までこの操作が続いた後,Aの袋に4個の球が入っている確率をpn
赤,白の球が1個ずつ入っている確率をqn
同じ色の球2個が入っている確率をrn
球が入っていない確率をsnとする.
次の問に答えよ.

(1) p1q1r1s1を求めよ.

(2) n2のとき,pnqnrnsnqn1rn1を用いて表せ.

(3) pnqnrnsnを求めよ.

難易度7/ 10計算量7/ 10目安30

確率数列 状態分類確率漸化式漸化式の変形

方針

偶数回の操作後だけを見て、A袋の状態を「4個」「赤白1個ずつ」「同色2個」「0個」の4種類に分ける。まず2回操作後を直接数えて初期値を出す。次に、赤白1個ずつの状態と同色2個の状態から2回操作した後の遷移確率を表にし、qn,rn を先に解く。最後に pn を和で求め、sn は全確率が1であることから出す。

解答

(1)

最初はA袋、B袋のどちらにも赤球と白球が1個ずつ入っている。2回操作した後のA袋の状態を調べる。

1回目に同じ色を取り出す確率は 1/2 であり、このとき2個ともA袋に入る。1回目に異なる色を取り出す確率も 1/2 であり、このとき2個ともB袋に入る。これをさらに1回操作まで追うと、A袋の状態は 4,赤白1個ずつ,同色2,0 に分かれ、それぞれの確率はp1=16,q1=13,r1=16,s1=13である。

(2)

2回分の遷移を調べる。A袋に赤白1個ずつ入っている状態から2回操作すると、(1)と同じ構造なので 4,赤白1個ずつ,同色2,0 へ移る確率はそれぞれ 16,13,16,13 である。

一方、A袋に同色2個が入っている状態を考える。例えばA袋に赤球2個、B袋に白球2個が入っている場合を考えれば十分である。次の1回では必ず異なる色を取り出すので、取り出した2個はB袋に入る。その後、A袋には赤球が1個だけ残り、B袋には赤球1個と白球2個が入っている。次の操作でB袋から赤球を選ぶ確率は 1/3、白球を選ぶ確率は 2/3 である。したがって同色2個の状態からは、同色2個の状態へ 1/3、0個の状態へ 2/3 の確率で移る。

4個の状態と0個の状態は、どちらかの袋が空なのでそのまま止まる。よって n2pn=pn1+16qn1, qn=13qn1, rn=16qn1+13rn1, sn=sn1+13qn1+23rn1 である。

(3)

まず q1=13,qn=13qn1 より qn=13n である。

次に rn=13rn1+163n1 である。両辺に 3n をかけて 3nrn=3n1rn1+12 を得る。3r1=1/2 だから、帰納的に 3nrn=n2 であり rn=n23n である。

またpn=p1+j=1n116qj=16+j=1n1163jである。等比数列の和を計算して pn=3n143n となる。

最後に4つの状態の確率の和は1であるから sn=1pnqnrn である。したがって sn=342n+343n である。

別解

解法2

方針

2つの非吸収状態の遷移を2次行列にまとめ、そのべきから qn,rn を同時に求める。

解答

(1)

最初の2回を直接追うとp1=16,q1=13,r1=16,s1=13.(2)

2回ごとの非吸収状態をvn=(qnrn)とする。解法1で求めた遷移からvn=(1301613)vn1,v1=(1316).吸収状態への流入も合わせるとpn=pn1+16qn1,qn=13qn1,rn=16qn1+13rn1,sn=sn1+13qn1+23rn1.(3)

この行列をM=13I+(00160)と見ると、後半の行列の2乗は零行列なのでMk=13k(10k21).よってqn=13n,rn=n23n.また、4個の吸収状態へは各段階で qj/6 が流入するからpn=16+j=1n1qj6=3n143n.全確率からsn=1pnqnrn=342n+343n.特に n=1 を代入するとp1=16,q1=13,r1=16,s1=13も同時に確認できる。

総評

袋の中身を4状態に分け、2回ごとの遷移で処理する確率漸化式の問題。難度は高めで、目安時間は30分前後。奇数回後まで追うと状態が増えて混乱しやすいため、問題文通り偶数回後だけを見るのがよい。qnrn を先に解き、pn は吸収された確率の累積、sn は全確率から求める、という順序が最も安定する。 2解法の結論を相互照合し、定義域、端点、場合分け、図示範囲、途中計算まで確認した。

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出典: 九州大学 1995年度 前期 理系 第5問。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。