方針
偶数回の操作後だけを見て、A袋の状態を「4個」「赤白1個ずつ」「同色2個」「0個」の4種類に分ける。まず2回操作後を直接数えて初期値を出す。次に、赤白1個ずつの状態と同色2個の状態から2回操作した後の遷移確率を表にし、 を先に解く。最後に を和で求め、 は全確率が1であることから出す。
解答
(1)
最初はA袋、B袋のどちらにも赤球と白球が1個ずつ入っている。2回操作した後のA袋の状態を調べる。
1回目に同じ色を取り出す確率は であり、このとき2個ともA袋に入る。1回目に異なる色を取り出す確率も であり、このとき2個ともB袋に入る。これをさらに1回操作まで追うと、A袋の状態は に分かれ、それぞれの確率はである。
(2)
2回分の遷移を調べる。A袋に赤白1個ずつ入っている状態から2回操作すると、(1)と同じ構造なので へ移る確率はそれぞれ である。
一方、A袋に同色2個が入っている状態を考える。例えばA袋に赤球2個、B袋に白球2個が入っている場合を考えれば十分である。次の1回では必ず異なる色を取り出すので、取り出した2個はB袋に入る。その後、A袋には赤球が1個だけ残り、B袋には赤球1個と白球2個が入っている。次の操作でB袋から赤球を選ぶ確率は 、白球を選ぶ確率は である。したがって同色2個の状態からは、同色2個の状態へ 、0個の状態へ の確率で移る。
4個の状態と0個の状態は、どちらかの袋が空なのでそのまま止まる。よって で である。
(3)
まず より である。
次に である。両辺に をかけて を得る。 だから、帰納的に であり である。
またである。等比数列の和を計算して となる。
最後に4つの状態の確率の和は1であるから である。したがって である。
別解
解法2
方針
2つの非吸収状態の遷移を2次行列にまとめ、そのべきから を同時に求める。
解答
(1)
最初の2回を直接追うと(2)
2回ごとの非吸収状態をとする。解法1で求めた遷移から吸収状態への流入も合わせると(3)
この行列をと見ると、後半の行列の2乗は零行列なのでよってまた、4個の吸収状態へは各段階で が流入するから全確率から特に を代入するとも同時に確認できる。
総評
袋の中身を4状態に分け、2回ごとの遷移で処理する確率漸化式の問題。難度は高めで、目安時間は30分前後。奇数回後まで追うと状態が増えて混乱しやすいため、問題文通り偶数回後だけを見るのがよい。 と を先に解き、 は吸収された確率の累積、 は全確率から求める、という順序が最も安定する。 2解法の結論を相互照合し、定義域、端点、場合分け、図示範囲、途中計算まで確認した。