方針
直線 が同じ直線へ移る条件は,方向ベクトル が再び 上の方向になることとして式にする。直線 については,点 を変換して,得られた がすべて を満たすように係数比較する。(2)は変換が正則であることを確認し,移った後の座標を とおいて逆に を表し,もとの条件 を の不等式へ直す。
解答
(1)
行列をとおく。直線 の方向ベクトルは である。このベクトルはに移る。これが再び直線 の方向であるため, すなわち である。
次に,直線 上の点を とおく。この点は に移る。これがすべて直線 上にあるので, が の恒等式として成り立つ。係数を比較して を得る。これと を合わせると, である。したがって を得る。
(2)
(1)より変換は で表される。行列式は で0でないから,逆に を で表せる。連立方程式を解くと である。
もとの不等式は すなわち である。上の式を代入すると となる。したがって,移った後の領域は すなわち である。通常の座標名 で書けば,求める領域は である。
別解
解法2
方針
直線の像に関する条件を,直線上の一般点を行列で移した後の恒等式として一度に処理する。(2)では境界直線の像と,もとの半平面内の代表点の像を調べる。行列式が0でないため,境界のどちら側が像になるかを代表点1個で決定できる。
解答
(1) と書く。直線 上の一般点 の像はである。これが 上にあるためすなわちを得る。
直線 上の一般点 の像を とするとこれが恒等的に を満たすので(1)(2)からとなる。
(2)
境界直線 の方向ベクトル はへ移るので,境界の像も である。まただから,半平面はこの境界の片側全体へ移る。
もとの領域 にある点 の像はであり,これは を満たす。したがって求める像はである。座標を通常の に戻せばとなる。
総評
1次変換で直線と半平面を扱う標準問題である。目安時間は18分。(1)では「直線が直線へ移る」ことを,直線上の一般点を使って恒等式にするのが確実である。特に は原点を通らないので,方向だけでなく切片条件も必要になる。(2)では変換後の座標を別文字 で置くと,もとの と混同しにくい。最後に行列式が0でないことを確認してから逆向きに不等式を移すと,半平面全体を正しく処理できる。