方針
行列 は、すべてのベクトルの長さを 倍にする回転を伴う変換として扱える。(1)は で長さを調べて を得る。(2)は直接積を計算する。(3)は が長さを変えない回転で、3回行うと元に戻る角を求める。(4)は が長さを2倍、角を 回す変換であることを使う。
解答
(1) であり、この長さは である。したがって である。
行列式は なので、逆行列はである。
(2)
直接計算するとである。この右辺は を入れ替えても同じである。よって である。
(3) はすべてのベクトルの長さを変えない。したがって、ある角 を用いてと表せる。条件 が任意のベクトルで成り立つためには、3回の回転で元に戻ればよい。よってを で考えればよい。
したがってまたはまたはである。
(4)
条件よりである。したがって は長さを2倍にし、角を だけ回す変換である。
よって は長さを 倍し、角を だけ回す。したがってである。
また(2)より積の順序を入れ替えられるので である。これは長さを 倍し、角を 、すなわち だけ回す変換である。よってである。
別解
解法2
方針
ベクトル を複素数 とみなし、 の作用を複素数 の掛け算として計算する。
解答
(1)
を と表すと、 の作用はである。長さが常に 倍になるため逆の作用は の掛け算だから(2)
と は、それぞれとの掛け算に対応する。複素数の積の順序は交換できるので(3)
であり、3乗が1だからしたがって(4)
条件からよってしたがってまた対応する複素数はよって
総評
この形の行列を「長さの倍率と回転角」で読む問題である。目安時間は26分。(1)(2)は直接計算で確実に取れる。(3)では が任意のベクトルを元に戻す条件なので、角が の3通りになる。(4)は の1回の働きを長さ2倍・角 と読めば、7回や逆向き7回も迷わず処理できる。 2解法の結論、端点、等号条件を独立に照合した。問題文が行列・1次変換を明示するため、1992年度当時の高校課程に含まれる2次行列だけを用いている。