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九州大学 1994年度 前期日程 第2次学力試験文系数学 第2問

mkを実数の定数として,座標平面上の変換f(xy)(xy)+k(x+y)(1m)で定める.次の問に答えよ.

(1) 変換fを表す行列を求めよ.

(2) mを固定しkを動かすとき,点(1,1)fによる像はどのような図形を描くか.

(3) 領域D1:(x1)2+(y1)21fによる像をD2とする.
kを適当に動かすことにより,D2の少なくとも1点が
(x4)2+(y3)21となるためのmの範囲を求めよ.

難易度7/ 10計算量6/ 10目安25

行列図形と方程式 座標設定軌跡、範囲評価

方針

変換式を成分に分けて、まず行列を直接読む。k を動かしたとき、各点は方向 (1,m) の直線上を動くことに注目する。ただし D1 上では x+y>0 なので、k(x+y) は任意の実数を取り、各点をその方向の直線全体に動かせる。(3)では、中心 (1,1) の半径1の円板を方向 (1,m) に沿って動かした帯と、中心 (4,3) の半径1の円板が交わる条件に直し、中心間の直線距離が2以下であることを使う。

解答

(1)

与えられた変換は(xy)(xy)+k(x+y)(1m)である。成分で書くと x=x+kx+ky=(1+k)x+ky, y=y+mkx+mky=mkx+(1+mk)y. したがって、変換を表す行列は(1+kkmk1+mk)である。

(2)

(1,1)(1,1)+2k(1,m) に移る。k が実数全体を動くので、これは点 (1,1) を通り、方向ベクトル (1,m) をもつ直線である。したがって、求める図形は y1=m(x1) である。

(3) D1 の中心を C1=(1,1)、目標の円板の中心を C2=(4,3) とする。D1 上の点 (x,y) について x+y22>0 であるから、k を動かすと k(x+y) は任意の実数を取る。よって、各点 (x,y)D1 は方向 (1,m) の直線全体を動ける。

したがって、k を適当に選んだときに変換後の D1 が目標の円板と少なくとも1点を共有するための条件は、直線 :(1,1)+t(1,m) と点 C2=(4,3) との距離が、2つの半径の和 2 以下であることである。 C2C1=(3,2) だから、点 C2 と直線 との距離は 23m1+m2 である。したがって条件は 23m1+m22 であり、両辺は非負なので2乗してよい。 (23m)24(1+m2) すなわち 412m+9m24+4m2,5m212m0. よって m(5m12)0 であるから 0m125 を得る。

別解

解法2

方針

D1 の中心を通り方向ベクトル (1,m) をもつ直線上の点と、もう一方の円板の中心 (4,3) との距離の2乗を、移動量 t の2次式として最小化する。二つの半径1円板が接触できる条件は最小距離が2以下であること。

解答

(1)
成分表示から(xy)=(1+kkkm1+km)(xy).(2)
(1,1) の像は(1,1)+2k(1,m)である。k は任意の実数なので、点 (1,1) を通り方向ベクトル (1,m) をもつ直線全体を描く。

(3)
D1 の各点は k を動かすと方向 (1,m) の直線上を動く。したがって、D2 が中心 (4,3)、半径1の円板と交わり得るための必要十分条件は、直線(1,1)+t(1,m)(4,3) の距離が2以下となることである。

距離の2乗はΦ(t)=(t3)2+(mt2)2=(1+m2)t22(3+2m)t+13.その最小値は13(3+2m)21+m2=(23m)21+m2.よって(23m)21+m24    5m212m0.したがって0m125.

総評

円板の像を点ごとに追うより、中心が動く直線と固定中心との最短距離に読み替えると見通しがよい。半径1の円板同士が交わる条件は中心間距離が2以下である。2次式の最小値を出した後、分母 1+m2>0 を確認して不等式を解く。

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出典: 九州大学 1994年度 数学。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。