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九州大学 1994年度 前期日程 第2次学力試験理系数学 第2問

行列A=(abcd)によって
表される1次変換をfとする.次の問に答えよ.

(1) A2=EA±Eのとき,adbc=1を示せ.
ただし,Eは単位行列である.

(2) さらに,f(7,1)=(1,7)のとき,Aを求めよ.

(3) 上で求めたfによって不変であるような原点を通る直線を求めよ.

難易度7/ 10計算量6/ 10目安25

行列図形と方程式 式変形、文字消去図形的解釈

方針

(1)A2=E を成分比較し、a+d=0 の場合と a+d0 の場合に分けて adbc=1 を示す。(2)は A(7,1)T=(1,7)T に加え、A2=E から逆向きに A(1,7)T=(7,1)T も成り立つことを使い、4本の一次方程式で成分を決める。(3)は原点を通る直線の方向ベクトル (1,m) が変換後も同じ直線上に残る条件、すなわち2つのベクトルが平行である条件を傾きの方程式にする。垂直な直線 x=0 は別に確認して除外する。

解答

(1) A=(abcd)とする。A2=E より(a2+bcb(a+d)c(a+d)cb+d2)=(1001)である。したがって a2+bc=1,b(a+d)=0,c(a+d)=0,bc+d2=1 が成り立つ。

まず a+d=0 のとき、d=a であるから adbc=a2bc=(a2+bc)=1 である。

次に a+d0 のとき、b=0,c=0 である。このとき a2=1d2=1 である。もし a=d=1 なら A=E、もし a=d=1 なら A=E となり、どちらも条件に反する。よって a=d であり adbc=ad=1 である。

以上より、いずれの場合も adbc=1 である。

(2)

条件よりA(71)=(17)である。また A2=E なので、両辺にもう一度 A を作用させるとA(17)=(71)も成り立つ。

これを成分で書くと 7ab=1,7cd=7, a7b=7,c7d=1 である。最初と3番目の式から 7ab=1,a+7b=7 を解いて a=725,b=2425 である。また2番目と4番目の式から 7cd=7,c+7d=1 を解いて c=2425,d=725 である。

したがってA=125(724247)である。

(3)

まず直線 x=0 を調べる。方向ベクトル (0,1)A(01)=125(247)に移るが、これは (0,1) に平行でない。したがって x=0 は求める直線ではない。

そこで原点を通る直線を y=mx とおく。方向ベクトル (1,m)A(1m)=125(724m24+7m)に移る。これが (1,m) と平行であるための条件は 24+7m=m(724m) である。整理すると 24m2+14m24=0 すなわち 12m2+7m12=0 である。因数分解して (4m3)(3m+4)=0 だから m=34,m=43 である。

よって求める直線は y=34x,y=43x である。

別解

解法2

方針

A2=E を固有方向で読む。非自明な対合変換の固有値は 1,1 なので行列式は 1。与えられた2ベクトルの和と差が固有ベクトルになることから行列と不変直線を同時に求める。

解答

(1)
A2=E より、A の固有値は 1 または 1 である。もし二つとも 1 または二つとも 1 なら、2次元で A=±E となる。条件よりこれを除くので固有値は 1,1 であり、detA=1.(2)v=(71),w=(17)とおくと Av=wA2=E より Aw=v である。したがってA(v+w)=v+w,A(vw)=(vw).ここでv+w=(6,8),vw=(8,6).この二本を固有ベクトルとして行列を復元するとA=125(724247).(3)
不変な原点通過直線は二つの固有方向である。よってy=43x,y=34x.

総評

A2=E は変換を二度行うと元に戻る対合を表す。和と差を取ると固有値 1,1 の方向が直ちに現れ、行列と不変直線を一緒に決定できる。固有値が両方同符号の場合を除外する理由と、求めた行列が実際に条件を満たす確認まで書くと答案が閉じる。

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出典: 九州大学 1994年度 数学。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。