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九州大学 1994年度 前期日程 第2次学力試験理系数学 第3問

xy座標平面で点Pは点A(1,0)を始点として,
原点Oを中心とする半径1の円周上を正の向きに一定の速さで回転する.
Qは動径OP上を原点Oから出発して一定の速さでPに向かって進み,
Pが円を1周して点Aに戻ってきた時にちょうど点Pに到達するとする.
このときの点Qの軌跡をCPOA=θ
そしてCと線分OQとで囲まれる領域の面積をS(θ)とする.
次の問に答えよ.

(1) Qの座標をθを用いて表せ.

(2) 上の座標をQ(θ)とする.
Q(π)におけるCの接線とy軸との交点の座標を求めよ.

(3) 0θ1<θ22πのとき12(θ12π)2<S(θ2)S(θ1)θ2θ1<12(θ22π)2を示せ.

(4) dS(θ)dθおよびS(θ)を求めよ.

難易度6/ 10計算量6/ 10目安20

図形と方程式積分微分 座標設定接線・法線面積計算

方針

P の角度が θ のとき、Q は動径上を同じ割合で進んでいるので、極座標で r=θ/(2π) と表せる。(2)は媒介変数表示を微分し、θ=π における接線の傾きを求める。(3)は曲線 C と線分 OQ で囲まれる面積の増分が、極座標の微小扇形 12r2dθ の積分になることを使う。被積分関数が増加関数であるため、平均変化率は両端の値の間に挟まれる。(4)は(3)から導関数を読み取り、S(0)=0 を用いて積分する。

解答

(1)

P が円を1周する間に、点 Q は原点から半径1の円周まで一定の速さで進む。角 θ の時点では、全体の回転角 2π のうち θ だけ進んでいるので OQ=θ2π である。

また、Q は動径 OP 上にあるから、極座標で r=θ2π と表される。したがって座標はQ(θ)=(θ2πcosθ,θ2πsinθ)である。

(2) x=θ2πcosθ,y=θ2πsinθとおく。微分するとdxdθ=12πcosθθ2πsinθ,dydθ=12πsinθ+θ2πcosθ. θ=π では Q(π)=(12,0) であり、dxdθθ=π=12π,dydθθ=π=12.したがって接線の傾きは dydx=1/21/(2π)=π である。

よって接線は y=π(x+12) である。y 軸との交点は x=0 として y=π2 だから (0,π2) である。

(3)

極座標で r=θ/(2π) である。角度が θ1 から θ2 まで増える間に増える面積は、微小な扇形の面積を足し合わせてS(θ2)S(θ1)=12θ1θ2(θ2π)2dθである。

ここで g(θ)=12(θ2π)2 とおくと、0θ2πg(θ) は増加関数である。θ1<θ<θ2 では g(θ1)<g(θ)<g(θ2) であるから、区間で積分してg(θ1)(θ2θ1)<θ1θ2g(θ)dθ<g(θ2)(θ2θ1)となる。θ2θ1>0 で割れば12(θ12π)2<S(θ2)S(θ1)θ2θ1<12(θ22π)2を得る。

(4)

(3) の不等式は、S(θ) の平均変化率が 12(θ2π)2 に近づくことを表している。したがってdS(θ)dθ=12(θ2π)2=θ28π2である。

また S(0)=0 なのでS(θ)=0θu28π2du=18π2θ33=θ324π2.よってdS(θ)dθ=θ28π2,S(θ)=θ324π2である。

別解

解法2

方針

媒介表示 x=rcosθ,y=rsinθr=θ/(2π) を直接微分する。面積増加率は行列式 (xyyx)/2 で求め、単調性から平均変化率の不等式を示す。

解答

(1)
一定速度の条件からr=θ2π,よってQ(θ)=(θ2πcosθ,θ2πsinθ).(2)x=rcosθ,y=rsinθ を微分し、θ=π を代入するとQ(π)=(12,0),dydx=π.接線は y=π(x+1/2) だから、y 軸との交点は(0,π2).(3)
媒介曲線が掃く面積の増加率は12(xyyx).r=θ/(2π)r=1/(2π) を代入するとxyyx=r2,したがってS(θ)=12(θ2π)2.右辺は単調増加するので、その区間平均は両端値の間にあり、問題の不等式が従う。

(4) dSdθ=θ28π2.S(0)=0 よりS(θ)=0θu28π2du=θ324π2.

総評

極座標の動径 r=θ/(2π) を媒介表示へ入れる問題である。接線では dx/dθ,dy/dθ の代入位置、面積では xyyx の符号に注意する。面積増加率が単調増加するため、その区間平均が両端値の間にあるという説明が不等式の本体である。

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出典: 九州大学 1994年度 数学。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。