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九州大学 1994年度 前期日程 第2次学力試験理系数学 第1問

座標平面上の4点(0,0)(1,0)(1,1)(0,1)からなる集合をL
不等式ax+byd0を満たす実数xyを座標としてもつ点(x,y)からなる集合をDとする.すなわちL={(0,0),(1,0),(1,1),(0,1)},D={(x,y)ax+byd0}である.このとき,LDの共通集合LDについて次の問に答えよ.

(1) 実数abdをどのように選んでも,
LD={(0,0),(1,1)}にならないことを示せ.

(2) LD={(1,1)}ならば,
d2a2+b2<2dであることを示せ.

難易度6/ 10計算量5/ 10目安20

図形と方程式論証・証明 不等式評価、背理法、コーシー・シュワルツ

方針

半平面 D に4頂点を代入し、含まれる点では不等式が 0、含まれない点では <0 になることを使う。(1)は対角の2点 (0,0)(1,1) だけを含むと仮定し、d0a<db<da+bd の矛盾を出す。(2)は (1,1) だけを含む条件から d>0a<db<da+bd を取り出し、下からは da+b、上からは x=day=db による評価で a2+b2<2d2 を示す。

解答

(1)

仮に LD={(0,0),(1,1)} となったとする。 (0,0)D より d0 すなわち d0 である。また (1,1)D より a+bd0 すなわち a+bd である。

一方、(1,0)D(0,1)D であるから ad<0,bd<0 であり、a<d,b<d となる。よって a+b<2d である。ところが d0 なので 2dd であり、したがって a+b<d となる。これは a+bd に反する。

よって、どのように a,b,d を選んでも LD={(0,0),(1,1)} とはならない。

(2) LD={(1,1)} とする。まず (0,0)D より d<0 だから d>0 である。また (1,0)D(0,1)D(1,1)D より ad<0,bd<0,a+bd0 である。したがって a<d,b<d,a+bd を得る。

まず下側の評価を示す。a+bd>0 であり、a+b2a2+b2 だから d2a2+b2 である。よって d2a2+b2 となる。

次に上側の評価を示す。 x=da,y=db とおくと、a<db<d より x>0,y>0 である。また a+bd より (dx)+(dy)d なので x+yd である。

このとき a2+b2=(dx)2+(dy)2=2d22d(x+y)+x2+y2. さらに x2+y2(x+y)2d(x+y) であるから a2+b22d2d(x+y). ここで x+y>0 なので a2+b2<2d2. したがって a2+b2<2d である。

以上より d2a2+b2<2d が示された。

別解

解法2

方針

半平面を定める一次式を四頂点で評価し、対角頂点の評価値の和がもう一方の対角頂点の和と等しいことを使う。(2)は p=a/d,q=b/d と正規化し、領域 p<1,q<1,p+q1 上で p2+q2 を評価する。

解答

一次式(x,y)=ax+bydを考える。

(1)
四頂点では(0,0)+(1,1)=(1,0)+(0,1)=a+b2d.もし (0,0),(1,1) だけが D に入るなら左辺は 0 以上、右辺は負となり、同じ値であることに反する。

(2)
(1,1) だけが入ることからd>0,a<d,b<d,a+bd.p=a/d,q=b/d とおくとp<1,q<1,p+q1.平方平均と相加平均の関係よりp2+q2(p+q)2212.また u=1p>0,v=1q>0 とおけば u+v1 であり、p2+q2=(1u)2+(1v)2=22(u+v)+u2+v2<2.したがって12p2+q2<2.d>0 を掛けてd2a2+b2<2d.

総評

四頂点での一次式の値に成り立つ加法関係が(1)の核心である。(2)では d>0 を確定してから p=a/d,q=b/d と正規化する。下限は平方平均、上限は p<1,q<1,p+q1 の三条件を同時に使い、上限が等号なしになる点まで示す。

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出典: 九州大学 1994年度 数学。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。