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九州大学 1994年度 前期日程 第2次学力試験文系数学 第1問

以下の設問はlog102の近似値に関するものである.
log102=0.3010を用いないで答えよ.

(1) 不等式310<log102<413を示せ.

(2) a=13log10210log1023とおくとき,
b<a<b+1となる整数bを下の表を用いて求めよ.

(3) 上の結果を用いて不等式31103<log102<2893を示せ.

資料注:現存する原アーカイブには、問題文が参照する「下の表」が収録されていない。解答では必要な二つの累乗比較を独立計算で補っている。

難易度6/ 10計算量5/ 10目安20

指数・対数方程式・不等式 不等式評価、同値変形、範囲評価

方針

対数の大小を累乗の大小へ直して扱う。(1)では底が10で正なので、210103213104 を比較すればよい。(2)では x=log102 とおき、(1)で 10x3>0 を確認してから、9<a<10 が表の累乗比較 293<10281031<2103 と同値であることを示す。(3)はその不等式を x について解き直し、分母の符号で不等号の向きが変わらないことを明示して結論を得る。

解答

(1)

底が 1010>1 であるから、対数の大小は累乗の大小に直してよい。 210=1024>1000=103 より 10log102>3,310<log102. また 213=8192<10000=104 より 13log102<4,log102<413. したがって 310<log102<413 である。

(2) x=log102 とおく。(1)より 10x3>0 であるから、不等式を掛けても不等号の向きは変わらない。

まず 9<a9<13x10x3 と同じであり、これは 90x27<13x すなわち 93x<28 と同値である。さらにこれは log10293<28,293<1028 と同値である。

同じく a<1013x10x3<10 と同じであり、これは 13x<100x30 すなわち 31<103x と同値である。さらにこれは 1031<2103 と同値である。

問題の表から 293<1028,1031<2103 が読み取れるので、以上より 9<a<10 である。したがって、b<a<b+1 を満たす整数は b=9 である。

(3)

(2) で得た 9<13x10x3<10x の不等式に戻す。ただし 10x3>0 である。

左側の不等式から 9(10x3)<13x であるから 90x27<13x,93x<28,x<2893. 右側の不等式から 13x<10(10x3) であるから 13x<100x30,31<103x,31103<x. よって 31103<log102<2893 が示された。

別解

解法2

方針

参照表が欠落しているため、必要な累乗比較を繰り返し2乗法による整数計算で独立に作る。対数不等式を累乗比較へ直し、分数線形変換 a=(13x)/(10x3) の分母の符号を確認して 9<a<10 と最終評価を導く。

解答

x=log102 とおく。

(1) 210=1024>103,213=8192<104より、底10の対数をとって310<x<413.特に 10x3>0 である。

(2)
現存原資料には問題文が参照する表が含まれないため、必要な二つの比較を整数計算で再確認する。繰り返し2乗法で293=9903520314283042199192993792<1028,2103=10141204801825835211973625643008>1031.したがって93x<28,103x>31.a=(13x)/(10x3) について、分母が正であることに注意すると9<a    93x<28,a<10    31<103x.よって 9<a<10 であり、b=9 である。

(3)
上の二不等式を x について書けば31103<x<2893.したがって31103<log102<2893.

総評

対数評価を整数の累乗比較へ戻す発想が中心である。原資料で参照される表が欠落しているため、本解説では必要な 2932103 を独立に計算した。分数線形変換では 10log1023>0 を先に確認し、不等号の向きを根拠なく変えないことが重要である。

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出典: 九州大学 1994年度 数学。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。