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九州大学 1998年度 後期日程 第2次学力試験理系(後期)数学 第4問

曲線y=logxxl1,原点を通りl1に接する直線をl2とする.
曲線l1,直線l2およびx軸で囲まれる図形を,
(1,0)を通る直線によってその面積を二等分するように分けたとき,
l1l2の接点の側にある図形をSとする.
このとき次の問に答えよ.ただし,Sは境界を含むものとする.

(1) Sの面積を求めよ.

(2) 赤白2個のさいころを同時に投げ,
赤いさいころの目の数をp,白いさいころの目の数をqとする.
(x,y)Sに属しているときpx+qyの最小値が95以下となる確率を求めよ.

難易度8/ 10計算量7/ 10目安45

指数・対数積分確率 接線・法線面積計算、場合分け

方針

まず原点を通る接線の接点を求め、領域全体の面積を正しく計算する。面積は 1/8 なので、接点側の領域 S1/16 になる。分割直線と接線 l2 の交点を Q0=(r,r/(2e)) と置き、S の面積を r で表して r=e/4 を求める。最後に px+qy の最小値が境界の端点 A=(1,0) または Q0 で決まることを使って、さいころの36通りを数える。

解答

(1) y=logxx とおくと y=1logxx2 である。原点を通る接線の接点を x=t とすると、接線の傾きは y(t)/t に等しいので logtt2=1logtt2 である。したがって logt=12 より t=e である。接線 l2y=x2e である。

曲線 l1x=1x 軸と交わる。よって、l1l2x 軸で囲まれる全体の面積は01x2edx+1e(x2elogxx)dxである。これを計算すると 01x2edx=14e であり、1ex2edx=e14e,1elogxxdx=[(logx)22]1e=18である。したがって全体の面積は 14e+e14e18=1418=18 である。

次に、点 A=(1,0) を通る分割直線が l2 と交わる点を Q0=(r,r2e) とおく。接点側の領域は、曲線側の部分1e(x2elogxx)dx=e28eと、Q0 から A までの直線と l2 に挟まれる部分からなる。

直線 AQ0 の方程式は y=r2e(r1)(x1) である。したがって、Q0 から A までの部分の面積はr1{x2er2e(r1)(x1)}dx=1r4eである。

接点側の面積は全体の半分、すなわち 1/16 であるから e28e+1r4e=116 である。これを解くと r=e4 である。したがって S の面積は 116 である。

(2)

(1) より、分割直線と l2 の交点は Q0=(e4,18) である。また A=(1,0) とする。 p,q はさいころの目なので正である。領域 S 上で px+qy の最小値を考える。曲線 l1 上では x1y0 なので px+qyp であり、点 Ap になる。接線 l2 上の Q0 から接点までの部分では、xy も増加するので最小は Q0 である。直線 AQ0 上では一次式の最小は端点で起こる。したがって minS(px+qy)=min(p,pe4+q8) である。

これが 9/5 以下になる場合を数える。p=1 のときは minS(px+qy)p=195 なので、q=1,2,,6 の6通りすべてがよい。 p2 のときは p>9/5 なので、点 Q0 での値を調べればよい。p=2 では pe4+q8=e2+q8 である。2.7<e<2.8 を用いると、q=1,2,3 では 9/5 以下で、q4 では 9/5 より大きい。したがって p=2 では3通りである。 p3 では、最小の q=1 としても pe4+q83e4+18>95 であるから不適である。

以上より有利な出目は 6+3=9 通りである。全事象は36通りなので、求める確率は 936=14 である。

面積を二等分する直線と領域 S

別解

解法2

方針

囲まれた全領域を接線下の三角形から曲線下の面積を引いて求める。二等分線でできる三角形の面積から交点を定め、線形関数の最小値は領域の下側境界の2端点だけを比較する。

解答

(1)

h(x)=logx/x とするとh(x)=1logxx2.接点の x 座標を t とすれば、原点を通る条件は h(t)=h(t)/t である。よって1logt=logt,t=e.接線はl2:y=x2e.接線下の三角形 0xe の面積は 1/4、曲線下の 1xe の面積は 1/8 である。したがって全領域は 1/8、その半分である S の面積は116.分割直線と l2 の交点を Q0=(r,r/(2e)) とする。接点側に常に含まれる曲線と接線の間の面積はe28e.三角形 AQ0 と接線の間の面積は、底辺 1r、高さ r/(2e) から1r4e.両者の和を 1/16 とおくと r=e/4 である。したがってQ0=(e4,18).(2)

p,q>0 なので、px+qyx,y がともに増える方向へ増加する。領域 S の下側境界は線分 AQ0 であり、線形関数の最小値はその端点で生じる。よってminS(px+qy)=min{p,pe4+q8}.p=1 なら q=1,,6 の6通りすべてがよい。p=2 ではe2+q895を満たす q1,2,3 の3通りである。p3 では q=1 でも左辺が 9/5 を超える。したがって有利な出目は9通りで、936=14である。

総評

接線、面積二等分、線形関数の最小値、確率を一つにまとめた重い問題で、想定時間は45分程度。最初の全体面積は 1/8 であり、ここを誤ると分割点がすべてずれる。分割点 Q0=(e/4,1/8) が出た後は、px+qy の最小値が曲線全体ではなく端点 AQ0 の比較で済むことを説明するのが重要である。最後の出目の判定では、p=1p=2p3 に分けると36通りを表にせずに数えられる。

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出典: 九州大学 1998年度 後期 理系 第4問。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。