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九州大学 1996年度 前期日程 第2次学力試験理系数学 第3問

自然数n>1に対して
an=log[(n1)!]+12lognとする.
次の問いに答えよ.

(1) 曲線y=logx上の点(k,logk)における接線と
2直線x=k12x=k+12
およびx軸で囲まれた部分の面積を求めよ.
ただし,k2とする.

(2) log[(n1)!](n12)log(n12)32log(32)(n2)を示せ.

(3) an>nlognn+32[1log(32)]を示せ.

難易度7/ 10計算量6/ 10目安30

指数・対数積分数列 接線・法線定積分評価不等式評価

方針

(1) は接線の式を作り、左右対称な幅 1 の区間で一次部分の積分が消えることを見る。(2) は logx の接線がグラフの上側にあることを使って、接線で囲む面積の和から下界を作る。(3) は得た下界を nlogn に近い形へ変形し、log(1u)>u/(1u) を微分で示して詰める。

解答

(1)
曲線 y=logxx=k における傾きは 1/k である。したがって点 (k,logk) における接線は y=logk+xkk である。 k2 なので、この接線は区間 k1/2xk+1/2 で正である。よって求める面積は k1/2k+1/2(logk+xkk)dx である。ここで xk は区間の中心 k に関して奇関数的に打ち消し合うので k1/2k+1/2xkkdx=0 である。したがって面積は logk である。

(2) g(x)=logx とおくと g(x)=1x2<0 である。したがって接線はグラフの上側にあり、k2 について logkk1/2k+1/2logxdx が成り立つ。

これを k=2,3,,n1 について加えると、左辺は k=2n1logk=log[(n1)!] であり、右辺の区間は連続して 3/2n1/2logxdx となる。よって log[(n1)!]3/2n1/2logxdx である。

ここで logxdx=xlogxx より3/2n1/2logxdx=(n12)log(n12)32log32(n2)である。したがってlog[(n1)!](n12)log(n12)32log32(n2)が示された。

(3)
(2) より an=log[(n1)!]+12lognan(n12)log(n12)+12logn32log32(n2)を満たす。

ここで(n12)log(n12)+12logn=nlogn+(n12)log(112n)である。

次に 0<u<1log(1u)>u1u を示す。実際、ϕ(u)=log(1u)+u1u とおくと、ϕ(0)=0ϕ(u)=11u+1(1u)2=u(1u)2>0 であるから、u>0ϕ(u)>0 である。 u=1/(2n) とすると(n12)log(112n)>(n12)(1/(2n)11/(2n))=12である。よって(n12)log(n12)+12logn>nlogn12となる。

これを an の下界へ代入すると an>nlogn1232log32(n2) である。整理して an>nlognn+32(1log32) が示された。

別解

解法2

方針

(2) の接線評価を、左右対称な区間での積分差として直接示す。差を u=xk で対称化すると正の対数積分になり、接線の上下関係を図だけに頼らず確認できる。(3) の対数不等式は定積分の大小で証明する。

解答

(1)
接線はy=logk+xkk.1 の対称区間で xk の積分は 0 だから、面積はlogk.(2)
u=xk と置くとlogkk1/2k+1/2logxdx=01/2{2logklog(ku)log(k+u)}du.被積分関数はlogk2k2u2>0(0<u1/2)だからlogk>k1/2k+1/2logxdx.k=2,,n1 について加えるとlog[(n1)!]3/2n1/2logxdx.右辺を積分してlog[(n1)!](n12)log(n12)32log32(n2).(3)
0<u<1 のときlog(1u)=0udt1t<0udt1u=u1u.したがってlog(1u)>u1u.u=1/(2n) と置けば(n12)log(112n)>12.(2) の下界へ代入し、log(n1/2)=logn+log(11/(2n)) を用いるとan>nlognn+32(1log32).

総評

接線による積分評価と対数不等式を組み合わせる問題。目安時間は30分。(2) では接線が上側にある理由を g(x)<0 などで明示したい。(3) は最後の log(1u) の評価が要点で、近似を使わず微分で不等式を証明すると高校範囲の答案として安定する。 2解法の結論を相互照合し、定義域、端点、場合分け、図示範囲まで確認した。

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出典: 九州大学 1996年度 前期 理系 第3問。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。