方針
(1) は原始関数 ex+e−x を使って定積分を計算する。(2)は dj=1+(j−1)/m、幅 1/m の和なので、区間 [1,2] における左端リーマン和として読む。極限はそのまま ∫12f(x)dx になる。
解答
(1) f(x)=ex−e−x である。原始関数は∫(ex−e−x)dx=ex+e−xであるから ∫−12(ex−e−x)dx=[ex+e−x]−12 =e2+e−2−(e−1+e)=e2+e−2−e−e−1 である。
(2) dj=1+mj−1 であるから、dj は区間 [1,2] を m 等分したときの左端の点である。また係数 1/m は小区間の幅である。したがって Gm=m1j=1∑mf(dj) は、区間 [1,2] における f(x) の左端和である。よって m→∞limGm=∫12(ex−e−x)dx である。これを計算すると∫12(ex−e−x)dx=[ex+e−x]12=e2+e−2−e−e−1である。
別解
解法2
方針
Gm を2つの有限等比数列へ分けて厳密に和を取り、m(e1/m−1)→1 と m(1−e−1/m)→1 を使って極限を計算する。
解答
(1)
原始関数は ex+e−x であるから∫−12(ex−e−x)dx=e2+e−2−e−1−e.(2)
j−1=r と書くとGm=mer=0∑m−1er/m−me−1r=0∑m−1e−r/m.等比数列の和よりGm=m(e1/m−1)e(e−1)−m(1−e−1/m)e−1(1−e−1).m→∞limm(e1/m−1)=1,m→∞limm(1−e−1/m)=1なのでm→∞limGm=e(e−1)−e−1(1−e−1)=e2+e−2−e−e−1.(1)の定積分と一致する。
総評
定積分と区分求積法の基本問題で、想定時間は15分程度。Gm は右端ではなく左端和であり、点が 1 から 2−1/m まで動くことを確認するのが大切である。区間幅 1/m が前に掛かっているため、極限は平均値ではなく定積分そのものになる。(1)と(2)の答えが同じ形になるのも確認材料になる。
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出典: 九州大学 1998年度 後期 理系 第3問。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。