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九州大学 1997年度 前期日程 第2次学力試験 確率文系数学 第4問(c)

赤玉2球,白玉8球が入った袋がある.
この袋から玉を同時に2球取りだし,赤玉は手元に置き,白玉は袋に返すという試行を繰り返す.
n回の試行の後,袋に赤玉が2球残っている確率をpn,1球残っている確率をqnとおく.

(1) p1q1を求めよ.

(2) q2を求めよ.

(3) pnqnpn1qn1を用いて表せ.
ただし,n2とする.

難易度5/ 10計算量5/ 10目安20

確率 状態分類確率漸化式、場合分け

方針

状態を「赤玉が2球残っている」「赤玉が1球残っている」に分ける。白玉は袋に戻り、赤玉だけが減るので、赤玉が2球残っている状態では袋の中は赤2・白8、赤玉が1球残っている状態では赤1・白8である。(1)は1回目の取り出しを直接数える。(2)は1回目後の状態で場合分けする。(3)は同じ考えで、pn1からpn,qnへ、qn1からqnへ移る確率を整理する。

解答

(1)
1回目の後に赤玉が2球残っているのは、白玉を2球取り出した場合である。したがって p1=8C210C2=2845 である。

1回目の後に赤玉が1球残っているのは、赤玉1球と白玉1球を取り出した場合である。よってq1=2C18C110C2=1645である。

(2)
2回目の後に赤玉が1球残っている場合を、1回目後の状態で分ける。

1回目後に赤玉が2球残っている確率はp1である。この状態から赤玉が1球残るには、次に赤玉1球と白玉1球を取り出せばよい。その確率は2C18C110C2=1645である。

1回目後に赤玉が1球残っている確率はq1である。この状態から赤玉が1球残ったままであるには、次に白玉を2球取り出せばよい。袋の中は赤1球、白8球、合計9球なので、その確率は 8C29C2=79 である。したがってq2=28451645+164579=112225である。

(3)
n2とする。赤玉が2球残っている状態が続くには、直前も赤玉が2球残っていて、今回も白玉2球を取り出す必要がある。よって pn=2845pn1 である。

赤玉が1球残っている状態になるには、次の2通りがある。直前に赤玉が2球残っていて今回赤玉1球と白玉1球を取り出す場合、または直前に赤玉が1球残っていて今回白玉2球を取り出す場合である。したがって qn=1645pn1+79qn1 である。

別解

解法2

方針

赤玉の残数 2,1,0 を状態とする推移図を作る。各矢印の確率を組合せで求めれば、初期ベクトル (1,0,0) に推移行列を掛けるだけで p1,q1,q2 と漸化式が同時に得られる。

解答

状態を赤玉の残数 2,1,0 の順に並べる。赤玉2球の状態からの推移確率は22: 8C210C2=2845,21: 2C18C110C2=1645.赤玉1球の状態からは11: 8C29C2=79.(1)
初期状態が (1,0,0) だからp1=2845,q1=1645.(2)
推移図で状態1へ入る2本の矢印を足してq2=1645p1+79q1=16452845+791645=112225.(3)
同じ推移を第 n1 回から第 n 回へ適用すればpn=2845pn1,qn=1645pn1+79qn1.\Needspace{7cm}

総評

赤玉だけが取り除かれ、白玉は戻るという状態遷移の問題で、目安時間は20分前後。袋の総数は、赤玉が2球残る状態では10球、1球残る状態では9球に変わるため、分母を固定しないことが重要である。(2)は(3)の予行演習になっており、直前の状態で場合分けすれば自然に再帰式が出る。pnにはqn1から戻る項がない点も確認しておきたい。

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出典: 九州大学 1997年度 前期 文系 第4問。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。