方針
接線の y 軸切片は f(t)−tf′(t) である。これが問題文の (t2−1)f(t) に等しいことから微分方程式を作る。点 (1,1) を通る条件で定数を決め、得られた関数は正なので、最大値は f′(x)/f(x)=2/x−x の符号で判定する。
解答
(1)
点 (t,f(t)) における接線は y=f(t)+f′(t)(x−t) である。この直線が y 軸と交わる点は x=0 を代入して y=f(t)−tf′(t) である。
問題文より、この値は (t2−1)f(t) に等しい。したがって f(t)−tf′(t)=(t2−1)f(t) である。整理して tf′(t)=(2−t2)f(t) を得る。変数名を x に戻せば、求める微分方程式は xf′(x)=(2−x2)f(x) である。
(2) x>0 であるから、(1)の式を f(x)f′(x)=x2−x と見る。両辺を積分すると logf(x)=2logx−2x2+C である。したがって f(x)=Cx2e−x2/2 と書ける。
条件 f(1)=1 より 1=Ce−1/2 だから C=e1/2 である。よって f(x)=x2e(1−x2)/2 である。
(3)
(2) で求めた f(x) は x>0 で正である。したがって f′(x) の符号は f(x)f′(x)=x2−x の符号と同じである。 x2−x=x2−x2 であり、x>0 なので、0<x<2 では正、x>2 では負である。よって f(x) は x=2 で最大となる。
最大値は f(2)=2e(1−2)/2=2e−1/2 である。
別解
解法2
方針
線形微分方程式を積分因子で解き、最大値は指数関数の基本不等式で評価する。
解答
(1)
接線の y 切片からf(x)−xf′(x)=(x2−1)f(x),すなわちf′(x)−(x2−x)f(x)=0.(2)
積分因子で零点の問題を避ける。
ここでμ(x)=x2ex2/2を掛けるとdxd{μ(x)f(x)}=0.したがってf(x)=Cx2e−x2/2.f(1)=1 より C=e1/2 だからf(x)=x2e(1−x2)/2.(3)
指数関数の基本不等式を使う。u=2x2>0とおくとf(x)=2e−1/2ue1−u.基本不等式 eu−1≧u よりue1−u≦1,等号は u=1 のときに限る。よってx=2 のとき最大値 2e−1/2.
総評
接線の切片条件から微分方程式を作る問題。難度は標準で、目安時間は20分前後。接線の y 軸切片を f(t)−tf′(t) と正しく書ければ、(1)(2)は自然に進む。(3)では求めた関数が正であるため、f′/f の符号で増減を判定できる。x>0 の範囲と最大値の代入を最後まで明記したい。 2解法の結論を相互照合し、定義域、端点、場合分け、図示範囲、途中計算まで確認した。
冊子PDFで見る九大の微分の問題で問題集を作る
出典: 九州大学 1995年度 前期 理系 第4問。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。