Evolton

九州大学 1997年度 前期日程 第2次学力試験 確率理系数学 第4問(c)

n個の袋があり,それぞれの袋には金色のカード3枚と銀色のカード(3n3)枚入っている.
それぞれの袋から1枚ずつカードを抜き出すとき,
確率変数Xnを抜き出された金色のカードの枚数とおく.

(1) X4が値3をとる確率P(X4=3),および値2をとる確率P(X4=2)を求めよ.

(2) 金色のカードを1枚抜き出すごとに賞金100円を受け取る.
n=4のときに受ける賞金の期待値を求めよ.

(3) 一般のn (n3)について,Xnが値3をとる確率P(Xn=3)を求めよ.

(4) limnP(Xn=3)を求めよ.

難易度5/ 10計算量4/ 10目安18

確率 二項定理、期待値、独立性の利用、極限計算

方針

各袋には合計3n枚あり、そのうち金色は3枚なので、1つの袋から金色を引く確率は1/nである。袋ごとの試行は独立だから、Xnは成功確率1/n、試行回数nの二項分布である。(1),(3)は二項分布の確率をそのまま使う。(2)は金色カードの枚数の期待値を使う。最後の極限は(11/n)n2e1に直す。

解答

1つの袋には金色のカード3枚、銀色のカード3n3枚、合計3n枚が入っている。したがって、1つの袋から金色を引く確率は 33n=1n である。各袋からの取り出しは独立である。

(1)
n=4のとき、金色を引く確率は1/4、銀色を引く確率は3/4である。よってP(X4=3)=4C3(14)3(34)=364である。またP(X4=2)=4C2(14)2(34)2=27128である。

(2)
X4は、4回の独立な試行で成功確率1/4の成功回数であるから E(X4)=414=1 である。金色のカード1枚につき100円を受け取るので、賞金の期待値は 100 である。

(3)
一般のn3について、Xn=3となる確率はP(Xn=3)=nC3(1n)3(11n)n3である。整理するとP(Xn=3)=n(n1)(n2)61n3(n1n)n3=(n2)(n1)n26nn1である。

(4)
(3)
の式を P(Xn=3)=16n2n(11n)n2 と書く。ここで n2n1,(11n)n2e1 であるから limnP(Xn=3)=16e である。

別解

解法2

方針

確率母関数 (11/n+z/n)n を使う。zk の係数が P(Xn=k)z=1 での微分が期待値を与えるので、各設問を同じ式から処理できる。

解答

1袋から金色を引く確率は 1/n である。従って Xn の確率母関数はGn(z)=(11n+zn)n.(1)
n=4 として z3,z2 の係数を読めばP(X4=3)=4C3(14)334=364,P(X4=2)=4C2(14)2(34)2=27128.(2)E(X4)=G4(1)=1だから、賞金の期待値は100.(3)
z3 の係数よりP(Xn=3)=nC31n3(11n)n3=(n2)(n1)n26nn1.(4)P(Xn=3)=16(12n)(11n)n216e.

総評

二項分布と期待値の基本問題で、目安時間は18分前後。各袋の総枚数が3nなので、金色を引く確率が1/nに簡単化されることを最初に押さえると全体が見通しやすい。(2)は分布を全部書かなくても、成功回数の期待値npで処理できる。(4)では、組合せを整理してから(11/n)n型の極限に持ち込むのが計算ミスを防ぐ。

冊子PDFで見る九大の確率の問題で問題集を作る

出典: 九州大学 1997年度 前期 理系 第4問。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。