方針
各袋には合計3n枚あり、そのうち金色は3枚なので、1つの袋から金色を引く確率は1/nである。袋ごとの試行は独立だから、Xnは成功確率1/n、試行回数nの二項分布である。(1),(3)は二項分布の確率をそのまま使う。(2)は金色カードの枚数の期待値を使う。最後の極限は(1−1/n)n−2→e−1に直す。
解答
1つの袋には金色のカード3枚、銀色のカード3n−3枚、合計3n枚が入っている。したがって、1つの袋から金色を引く確率は 3n3=n1 である。各袋からの取り出しは独立である。
(1)
n=4のとき、金色を引く確率は1/4、銀色を引く確率は3/4である。よってP(X4=3)=4C3(41)3(43)=643である。またP(X4=2)=4C2(41)2(43)2=12827である。
(2)
X4は、4回の独立な試行で成功確率1/4の成功回数であるから E(X4)=4⋅41=1 である。金色のカード1枚につき100円を受け取るので、賞金の期待値は 100円 である。
(3)
一般のn≧3について、Xn=3となる確率はP(Xn=3)=nC3(n1)3(1−n1)n−3である。整理するとP(Xn=3)=6n(n−1)(n−2)⋅n31⋅(nn−1)n−3=6nn−1(n−2)(n−1)n−2である。
(4)
(3)
の式を P(Xn=3)=61⋅nn−2(1−n1)n−2 と書く。ここで nn−2→1,(1−n1)n−2→e−1 であるから n→∞limP(Xn=3)=6e1 である。
別解
解法2
方針
確率母関数 (1−1/n+z/n)n を使う。zk の係数が P(Xn=k)、z=1 での微分が期待値を与えるので、各設問を同じ式から処理できる。
解答
1袋から金色を引く確率は 1/n である。従って Xn の確率母関数はGn(z)=(1−n1+nz)n.(1)
n=4 として z3,z2 の係数を読めばP(X4=3)=4C3(41)343=643,P(X4=2)=4C2(41)2(43)2=12827.(2)E(X4)=G4′(1)=1だから、賞金の期待値は100円.(3)
z3 の係数よりP(Xn=3)=nC3n31(1−n1)n−3=6nn−1(n−2)(n−1)n−2.(4)P(Xn=3)=61(1−n2)(1−n1)n−2⟶6e1.
総評
二項分布と期待値の基本問題で、目安時間は18分前後。各袋の総枚数が3nなので、金色を引く確率が1/nに簡単化されることを最初に押さえると全体が見通しやすい。(2)は分布を全部書かなくても、成功回数の期待値npで処理できる。(4)では、組合せを整理してから(1−1/n)n型の極限に持ち込むのが計算ミスを防ぐ。
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出典: 九州大学 1997年度 前期 理系 第4問。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。