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九州大学 1996年度 前期日程 第2次学力試験文系数学 第1問

1辺の長さが1の正六角形ABCDEFに内接する円の中心をOとし,その円周上の点をPとする.
次の問に答えよ.

(1) AB=a
AF=b
AP=xとするとき,
内接円のベクトル方程式をab
xで表せ.

(2) 線分BCの中点をQとする.
AQabで表せ.

(3) AP=kAQを満たすkの値をすべて求めよ.

難易度5/ 10計算量5/ 10目安20

ベクトル図形と方程式 ベクトル成分計算内積の利用軌跡

方針

正六角形の隣り合う辺なので a=b=1ab=1/2 をまず固定する。中心 OAO=a+b、内接円の半径は 3/2 であるから、円の方程式を内積で表す。(3) は AP=kAQ を円の方程式に代入し、二次方程式の解をすべて拾う。

解答

(1)
正六角形の一辺の長さは 1 で、BAF=120 である。したがって a=b=1,ab=cos120=12 である。

内接円の中心を O とすると、正六角形の対称性から AO=a+b である。また内接円の半径は、正三角形を半分にした直角三角形から 32 である。よって AP=x が内接円上にある条件は x(a+b)2=34 である。

これを内積で展開する。まず a+b2=1+1+2(12)=1 なので xx2(a+b)x+1=34 である。したがって求めるベクトル方程式は xx2(a+b)x+14=0 である。

(2) AB=a であり、正六角形の頂点の並びから AC=2a+b である。QBC の中点だからAQ=12(AB+AC)=12(a+2a+b)=3a+b2である。

(3)
条件 AP=kAQ より x=k2(3a+b) である。ここで 3a+b2=9+1+6(12)=7 より xx=7k24 である。また (a+b)(3a+b)=3+1+4(12)=2 なので (a+b)x=k である。

これらを (1) の方程式に代入すると 7k242k+14=0 であり、両辺を 4 倍して 7k28k+1=0 を得る。したがって (7k1)(k1)=0 であるから k=1,k=17 である。

別解

解法2

方針

座標を置いて正六角形と内接円を同時に表す。中心・半径、点 Q の座標を直接求め、直線 AQk 倍した点と円の交点条件から二つの k を得る。

解答

(1)
A=(0,0)B=(1,0)F=(1/2,3/2) と置く。このときa=(1,0),b=(12,32)であり、正六角形の中心はO=A+a+b=(12,32)である。内接円の半径は 3/2 だから、x=AP に対してx(a+b)2=34である。a+b2=1 を用いて展開するとxx2(a+b)x+14=0.(2)
C=(3/2,3/2) なので、QBC の中点よりQ=(54,34).一方、3a+b2=(54,34)であるからAQ=3a+b2.(3)AP=kAQ である点の座標は(5k4,3k4)である。これを内接円(x12)2+(y32)2=34へ代入すると(5k412)2+3(k412)2=34.整理して7k28k+1=(7k1)(k1)=0となる。したがってk=1,k=17.

総評

正六角形をベクトルの内積計算に落とす標準問題。目安時間は20分。得点上は、ab=1/2、中心 a+b、半径 3/2 の三点を答案に明示することが重要である。(3) では直線と円の交点なので解が二つ出ることを想定しておくと、k=1/7 の見落としを防げる。 2解法の結論を相互照合し、定義域、端点、場合分け、図示範囲まで確認した。

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出典: 九州大学 1996年度 前期 文系 第1問。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。