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九州大学 1995年度 後期日程 第2次学力試験理系(後期)数学 第1問

原点を中心とする半径1の球面Sの外側に点A(a,b,c)があるとする.

(1)Aを通り球面Sに接する直線は無数にある.
それらの直線とSとの接点の集合をEとする.
集合Eは,ある平面Hの部分集合である.
平面Hの方程式を求めよ.

(2) 平面Hは球面Sの内部を2つの部分に分ける.
この2つの部分のうち,原点を含まない方の体積をV1とする.
また,(1)で考えた接線の全部と平面Hとで囲まれた円錐の体積をV2とする.
原点と点Aとの距離をrとしてlimr1V1V2の値を求めよ.

難易度7/ 10計算量6/ 10目安30

ベクトル図形と方程式積分 内積の利用体積計算極限計算

方針

接点を X とすると、半径 OX は接線 AX と垂直である。したがって (AX)X=0X=1 から平面 H が得られる。(2)では OA=r とし、平面と原点の距離 1/r、接点の円の半径、円錐の高さをすべて r で表す。球冠の体積と円錐の体積を比較して極限を取る。

解答

(1)

接点を X=(x,y,z) とする。球面は原点中心、半径1であるから X=1 である。また、接線 AX は半径 OX と垂直である。したがって (AX)X=0 である。

これを展開すると AXXX=0 であり、X=1 より AX=1 となる。A=(a,b,c) だから、接点はすべて平面 ax+by+cz=1 上にある。よって H:ax+by+cz=1 である。

(2) r=OA とする。点 A は球面の外側にあるので r>1 である。平面 H と原点との距離は 1a2+b2+c2=1r である。したがって、原点を含まない側の球冠の高さは 11r である。

半径1の球で、高さ h の球冠の体積は πh2(3h)3 である。ここで h=11/r とすれば V1=π3(11r)2(2+1r) である。

次に円錐の体積を求める。平面 H と球面の交わりは円であり、その半径は 11r2 である。また、円錐の頂点は A、底面は平面 H 上のこの円であるから、高さは r1r である。よって V2=π3(11r2)(r1r) である。

したがってV1V2=(11r)2(2+1r)(11r2)(r1r)=2r+1(r+1)2である。よって limr1V1V2=34 である。

別解

解法2

方針

球冠の高さ h=11/r を変数にし、球冠と円錐をともに h の式へ直して極限を取る。

解答

(1)
接点ベクトルを x、点 A の位置ベクトルを a とする。接線と半径の直交から(ax)x=0.球面上では x=1 なのでax=1.したがってH: ax+by+cz=1.(2)
球冠の高さをh=11rとおく。すると r=1/(1h) であり、r1+0h0+0 に対応する。球冠の体積はV1=πh2(3h)3.接点円の半径の2乗は11r2=1(1h)2=h(2h),円錐の高さはr1r=11h(1h)=h(2h)1h.よってV2=π3h2(2h)21h.したがってV1V2=(3h)(1h)(2h)234.

総評

球面への接線の接点集合と、球冠・円錐の体積を扱う空間図形問題。難度は高めで、目安時間は30分前後。(1)では接線と半径の垂直条件から AX=1 を出すのが重要である。(2)では平面までの距離 1/r、接点円の半径、円錐の高さを混同しないことが得点上の注意点である。 2解法の結論を相互照合し、定義域、端点、場合分け、図示範囲、途中計算まで確認した。

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出典: 九州大学 1995年度 後期 理系 第1問。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。