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九州大学 1996年度 前期日程 第2次学力試験文系数学 第2問

x軸の正の部分を始線として,角θの動径と,原点Oを中心とする半径1の円との交点をPとする.
行列(2330)で表される1次変換をfとするとき,
次の問に答えよ.

(1) ベクトルf(OP)とベクトルOPの内積をθの関数で表し,
その関数の0θπにおける最大値と最小値を求めよ.

(2) 上で求めた関数の最大値を与えるθに対して,
f(OP)OPは平行であることを示せ.

難易度5/ 10計算量5/ 10目安16

行列三角関数 内積の利用三角比の利用、範囲評価

方針

P=(cosθ,sinθ) と置き、行列で写したベクトルとの内積を三角関数で整理する。1+cos2θ+3sin2θ を合成して最大・最小を求め、最大を与える θ で実際に f(OP)=3OP となることを成分で確かめる。

解答

(1) OP=(cosθsinθ)である。したがってf(OP)=(2330)(cosθsinθ)=(2cosθ+3sinθ3cosθ)である。

よって内積を g(θ) とおくとg(θ)=(2cosθ+3sinθ)cosθ+3cosθsinθであり、整理して g(θ)=2cos2θ+23sinθcosθ となる。二倍角の公式を用いるとg(θ)=1+cos2θ+3sin2θ=1+2cos(2θπ3)である。 0θπ のとき、2θπ/3π/3 から 5π/3 まで動く。この範囲で余弦は 11 もとる。したがって最大値は 3 で、これは 2θπ/3=0、すなわち θ=π/6 のときである。最小値は 1 で、これは 2θπ/3=π、すなわち θ=2π/3 のときである。

(2)
最大値を与えるのは θ=π/6 である。このときOP=(3/21/2)である。これを写すとf(OP)=(232+312332)=(33/23/2)=3(3/21/2)である。したがって f(OP)=3OP となり、f(OP)OP は平行である。

別解

解法2

方針

対称行列の固有値を求め、単位ベクトルとの二次形式の最大・最小を固有方向から読む。最大固有値に対応する方向では像が元のベクトルの定数倍になるので、(2) も同時に従う。

解答

(1)
行列をM=(2330)とする。固有値はdet(MλI)=λ22λ3=(λ3)(λ+1)より 3,1 である。対応する互いに直交する単位固有ベクトルとしてe1=(3/21/2),e2=(1/23/2)を取れる。u=OP は単位ベクトルなのでu=pe1+qe2,p2+q2=1と書ける。このときf(u)u=(3pe1qe2)(pe1+qe2)=3p2q2=4p21.したがってmax3,min(1).最大は u=e1、すなわち θ=π/6 で取り、最小は u=e2、すなわち θ=2π/3 で取る。

(2)
最大時には OP=e1 である。固有ベクトルの定義からf(OP)=Me1=3e1=3OP.よって二つのベクトルは平行である。

総評

行列で写したベクトルとの内積を三角関数にする問題。目安時間は16分。最大・最小だけなら合成で済むが、(2) では最大時の θ を具体的に戻して、成分が本当に定数倍になることを書く必要がある。2θ の動く範囲が長さ 2π あるため、最小値 1 も範囲内で取れる点に注意。 2解法の結論を相互照合し、定義域、端点、場合分け、図示範囲まで確認した。

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出典: 九州大学 1996年度 前期 文系 第2問。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。