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九州大学 1998年度 前期日程 第2次学力試験 ベクトル文系数学 第4問(a)

辺の長さ1の正四面体OABCにおいて,
a=OAb=OB
c=OCとおき,
線分OAm:nに内分する点をP,線分BCm:nに内分する点をQ
線分COm:nに内分する点をR,線分ABm:nに内分する点をSとする.
(ただし,m,n>0とする.)

(1)

(i) PQRS
abcで表せ.

(ii) abの内積を求めよ.

(iii) PQRSが垂直かどうかを調べよ.

(2)

(i) m=nのとき点PQRSは同一平面上にあることを示せ.

(ii) このときPQRSの交点をGとして,OG
abcで表せ.

(iii) Gは正四面体OABCに外接する球の中心であることを示し,
その球の半径を求めよ.

難易度7/ 10計算量6/ 10目安35

ベクトル ベクトル成分計算内積の利用図形的解釈

方針

内分点の位置ベクトルをまずすべて a,b,c で表す。正四面体では各ベクトルの長さが1で、異なる2本の内積が 1/2 であることを使う。m=n のときは4点の位置が中点の形に簡単化されるので、交点 G を対角線の中点として求め、最後は G から4頂点までの距離を直接計算して外接球中心を確認する。

解答

(1)

(1) (i)

内分点の公式よりOP=mm+na,OQ=nb+mcm+nである。またOR=nm+nc,OS=na+mbm+nである。したがってPQ=OQOP=ma+nb+mcm+nであり、RS=OSOR=na+mbncm+nである。

(1) (ii)

正四面体の一辺の長さは1であるから a=b=1,ab=AB=1 である。よって ab2=a2+b22ab より 1=1+12ab となる。したがって ab=12 である。

(1) (iii)

正四面体の対称性より ab=bc=ca=12 である。(1)(i)の表示を用いると(m+n)2PQRS=(ma+nb+mc)(na+mbnc).これを展開すると、長さの2乗から出る部分は mn+mnmn=mn であり、異なる2本の内積から出る部分は 12{(n2m2)+2mn+(m2n2)}=mn である。したがって全体は0になり、PQRS=0 である。よって PQRS である。

(2)

(2) (i) m=n のときOP=12a,OQ=12(b+c),OR=12c,OS=12(a+b)である。このときPS=OSOP=12bであり、またRQ=OQOR=12bである。したがって PSRQ は平行で長さも等しいので、4点 P,Q,R,S は同一平面上にある。

(2) (ii) m=n のとき、PQRS の中点は一致する。実際、OP+OQ2=14(a+b+c)であり、OR+OS2=14(a+b+c)でもある。したがって交点 G について OG=14(a+b+c) である。

(2) (iii) G から各頂点までの距離を調べる。まず16GO2=a+b+c2=3+2(12+12+12)=6である。次に 4GA=3abc であるから16GA2=3abc2=9+1+1+2(3232+12)=6.同様に 16GB2=16GC2=6 も成り立つ。よって GO=GA=GB=GC であり、G は正四面体 OABC に外接する球の中心である。その半径は GO=64 である。

正四面体の各辺上の内分点

別解

解法2

方針

正四面体を具体的な直交座標に置き、内分点を座標で計算する。内積・同一平面・交点を通常の座標計算で確認し、外接球中心は4頂点までの距離が等しいことから判定する。

解答

正四面体をO=(0,0,0),A=(1,0,0),B=(12,32,0),C=(12,36,23)と置く。

(1)

(1) (i)

内分点公式を座標ベクトルに適用すればPQ=ma+nb+mcm+n,RS=na+mbncm+n.(1)(ii)

上の座標からab=(1,0,0)(12,32,0)=12.(1)(iii)

同様に ac=bc=1/2 である。2つのベクトルの内積を展開すると、長さの2乗から mn、相異なるベクトルの内積から mn が生じて打ち消し合う。よってPQRS=0であり、PQRS である。

(2)

(2) (i)

m=n ならP=A2,Q=B+C2,R=C2,S=A+B2.このときPS=B2=RQだから PQRS は平行四辺形であり、4点は同一平面上にある。

(2) (ii)

平行四辺形の対角線の中点が交点 G なのでOG=12(a2+b+c2)=14(a+b+c).(2)(iii)

上の具体座標へ代入するとG=(12,36,1423).直接距離を計算すればGO2=GA2=GB2=GC2=38.したがって G は外接球中心で、半径は38=64である。

総評

空間ベクトルの標準問題だが、計算量はやや多く、想定時間は35分程度。内分点の式で m,n の係数を取り違えないこと、正四面体の内積がすべて 1/2 になることを早めに固定することが重要である。外接球中心の証明は言葉だけで済ませると弱いので、GO,GA,GB,GC の2乗を同じ値として示すと採点上も安定する。

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出典: 九州大学 1998年度 前期 文系 第4問。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。