Evolton

九州大学 1997年度 前期日程 第2次学力試験 複素数平面・図形と方程式文系数学 第4問(b)

複素数平面において,点zに関する次の条件を考える.

「原点と異なる点αを中心として点zを角θだけ回転すると,
移った点の絶対値がαの絶対値の12になる」

(1) α=iθ=90のとき,
上の条件を満たす点zの全体はどんな図形となるか.

(2) (α,θ)を一組固定したとき,
上の条件を満たす点zの全体はどんな図形となるか.

(3)αが実軸上にあるとき,
(2)の図形が虚軸に接するのはθが何度のときか.
ただし,0θ<360とする.

難易度6/ 10計算量5/ 10目安25

複素数平面図形と方程式 回転・拡大軌跡図形的解釈

方針

回転後の点を複素数で表す。点zを中心αのまわりに角θだけ回転した点はw=α+(zα)(cosθ+isinθ)である。条件w=α/2を、zに関する円の方程式z中心=半径に直す。(3)ではαが実数のとき、円が虚軸に接する条件が「中心の実部の絶対値=半径」であることを使う。

解答

(1)
α=i, θ=90である。点zを点iのまわりに90回転した点をwとすると w=i+(zi)i である。整理すると w=iz+1+i=i(z+1i) である。条件はw=i/2=1/2だから z+1i=12 である。したがって、条件を満たす点zの全体は 中心 1+i,半径 12 の円である。

(2) u=cosθ+isinθとおく。点zを点αのまわりにθだけ回転した点は w=α+(zα)u である。条件は w=α2 である。u=1なので、両辺にu1を掛けても絶対値は変わらず z+α(u11)=α2 である。ここで u1=cosθisinθ だから α(u11)=α(1cosθ+isinθ) である。したがって軌跡は zα(1cosθ+isinθ)=α2 で表される円である。中心は α(1cosθ+isinθ) 半径は α2 である。

(3)
αが0でない実数であるとする。このとき円の中心の実部は α(1cosθ) であり、半径はα/2である。円が虚軸に接するための条件は、中心から虚軸までの距離が半径に等しいことであるから α(1cosθ)=α2 である。0θ<360では1cosθ0なので 1cosθ=12 すなわち cosθ=12 である。よって θ=60,300 である。

別解

解法2

方針

回転を等長変換として逆向きにたどる。回転後の点 w は原点中心・半径 α/2 の円上を動く。この円を中心 α のまわりに角 θ だけ戻した像が z の軌跡である。

解答

回転後の点を w とするとw=α+eiθ(zα)である。逆にz=α+eiθ(wα)となる。

(1) α=i,θ=90 のとき、w は中心0、半径 1/2 の円を動く。逆変換でその中心はiiei90=1+iへ移り、半径は変わらない。従ってz+1i=12.(2)
一般に、w の円の中心0は逆変換によりααeiθ=α(1cosθ+isinθ)へ移る。回転は距離を保つから、軌跡はzα(1cosθ+isinθ)=α2である。

(3)
α が0でない実数なら、中心から虚軸までの距離はα(1cosθ)である。これが半径 α/2 に等しいからcosθ=12.従ってθ=60,300.\Needspace{8cm}

総評

回転を複素数の一次式で表し、円の方程式に直す問題で、目安時間は25分前後。回転後の点wではなく、条件をzの式へ戻すところで中心の符号を誤りやすい。u=1を利用してu1を掛けると、中心α(1cosθ+isinθ)が正確に出る。(3)は虚軸への接触なので、中心の実部と半径だけを比較すればよい。

冊子PDFで見る九大の複素数平面の問題で問題集を作る

出典: 九州大学 1997年度 前期 文系 第4問。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。