方針
回転後の点を複素数で表す。点zを中心αのまわりに角θだけ回転した点はw=α+(z−α)(cosθ+isinθ)である。条件∣w∣=∣α∣/2を、zに関する円の方程式∣z−中心∣=半径に直す。(3)ではαが実数のとき、円が虚軸に接する条件が「中心の実部の絶対値=半径」であることを使う。
解答
(1)
α=i, θ=90∘である。点zを点iのまわりに90∘回転した点をwとすると w=i+(z−i)i である。整理すると w=iz+1+i=i(z+1−i) である。条件は∣w∣=∣i∣/2=1/2だから ∣z+1−i∣=21 である。したがって、条件を満たす点zの全体は 中心 −1+i,半径 21 の円である。
(2) u=cosθ+isinθとおく。点zを点αのまわりにθだけ回転した点は w=α+(z−α)u である。条件は ∣w∣=2∣α∣ である。∣u∣=1なので、両辺にu−1を掛けても絶対値は変わらず ∣z+α(u−1−1)∣=2∣α∣ である。ここで u−1=cosθ−isinθ だから −α(u−1−1)=α(1−cosθ+isinθ) である。したがって軌跡は ∣z−α(1−cosθ+isinθ)∣=2∣α∣ で表される円である。中心は α(1−cosθ+isinθ) 半径は 2∣α∣ である。
(3)
αが0でない実数であるとする。このとき円の中心の実部は α(1−cosθ) であり、半径は∣α∣/2である。円が虚軸に接するための条件は、中心から虚軸までの距離が半径に等しいことであるから ∣α(1−cosθ)∣=2∣α∣ である。0∘≦θ<360∘では1−cosθ≧0なので 1−cosθ=21 すなわち cosθ=21 である。よって θ=60∘,300∘ である。
別解
解法2
方針
回転を等長変換として逆向きにたどる。回転後の点 w は原点中心・半径 ∣α∣/2 の円上を動く。この円を中心 α のまわりに角 −θ だけ戻した像が z の軌跡である。
解答
回転後の点を w とするとw=α+eiθ(z−α)である。逆にz=α+e−iθ(w−α)となる。
(1) α=i,θ=90∘ のとき、w は中心0、半径 1/2 の円を動く。逆変換でその中心はi−ie−i90∘=−1+iへ移り、半径は変わらない。従って∣z+1−i∣=21.(2)
一般に、w の円の中心0は逆変換によりα−αe−iθ=α(1−cosθ+isinθ)へ移る。回転は距離を保つから、軌跡は∣z−α(1−cosθ+isinθ)∣=2∣α∣である。
(3)
α が0でない実数なら、中心から虚軸までの距離は∣α∣(1−cosθ)である。これが半径 ∣α∣/2 に等しいからcosθ=21.従ってθ=60∘,300∘.\Needspace{8cm}
総評
回転を複素数の一次式で表し、円の方程式に直す問題で、目安時間は25分前後。回転後の点wではなく、条件をzの式へ戻すところで中心の符号を誤りやすい。∣u∣=1を利用してu−1を掛けると、中心α(1−cosθ+isinθ)が正確に出る。(3)は虚軸への接触なので、中心の実部と半径だけを比較すればよい。
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出典: 九州大学 1997年度 前期 文系 第4問。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。