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九州大学 1999年度 前期日程 第2次学力試験 確率・場合の数理系数学 第5問(a)

ABの2名で次のゲームを行う.
ABはそれぞれ表に1からnまでの数字がひとつずつ書かれたn枚のカードを持っている
(裏には何も書かれていない).
Aは自分のすべてのカードを表を下にしてならべる.
Bは,Aがならべたそれぞれのカードの前に自分のカードを表を上にして1枚ずつならべる.
次にAのカードを表向きにし,Bは数字が一致したカードの枚数だけ得点を得る.
確率変数XBが1回のゲームで得る点数とするとき次の問に答えよ.

(1) n=5のとき確率P(X=2)を求めよ.

(2) Bのカードのうち数字が1のものが一致する確率をpとする.p=k=1nakP(X=k)と表すとき,ak (k=1,2,,n)を求めよ.

(3) 期待値E(X)を求めよ.

難易度6/ 10計算量5/ 10目安15

確率場合の数 数え上げ、期待値、対称性の利用

方針

このゲームは,A の裏向きの並べ方を固定し,B の並べ方を 1 から n の置換として見るとよい。(1) は n=5 でちょうど二つ固定点をもつ置換を数え,残り三つが完全にずれる場合を数える。(2) は X=k とわかったとき,一致した k 枚の中に数字 1 が入る条件付き確率を対称性で求める。(3) は (2) の式に数字 1 が一致する確率 1/n を代入する。別解として,各数字が一致するかを表す変数を足し上げても期待値はすぐに出る。

解答

(1) A の並べ方を固定して考えると,B の並べ方は 5! 通りで等確率である。ちょうど 2 枚一致するには,まず一致する数字を 5 個の中から 2 個選ぶ。これは 5C2 通りである。

残り 3 個の数字は,一つも元の位置に来てはいけない。3 個の完全順列は3!3C12!+3C21!3C30!=66+31=2通りである。したがってP(X=2)=5C225!=20120=16.(2) X=k であるとき,一致している数字の集合は,対称性により n 個の数字の中の k 個の集合として等しく現れる。したがって,その中に数字 1 が含まれる確率は kn である。

数字 1 のカードが一致する確率を p とすると,全確率の考え方によりp=k=1nP(数字 1 が一致X=k)P(X=k)=k=1nknP(X=k).よって ak=kn(k=1,2,,n) である。

(3)

数字 1 のカードが一致する確率は,B の数字 1n 個の位置のどこに来るかが等確率なので p=1n である。一方,(2) より1n=k=1nknP(X=k).両辺に n を掛けると1=k=1nkP(X=k)=E(X).したがって E(X)=1 である。

別解

解法2

方針

置換の固定点として数える。(1) は包含排除で残り3枚の完全順列を求める。(2)(3) は一致した組を二重に数え、各番号の一致を表す0・1変数の和として期待値を求める。

解答

(1)
一致する2枚を選ぶ方法は 5C2 通り。残る3枚がすべて不一致となる並べ方は包含排除により3!3C12!+3C21!3C3=2.従ってP(X=2)=5C225!=16.(2)
X=k のすべての場合を、一致した k 個の番号で数える。対称性により数字1がその集合に入る割合はn1Ck1nCk=kn.従って ak=k/n

(3)
番号 r が一致したとき1となる変数を Ir とすればX=I1++In,E(Ir)=1n.よってE(X)=n1n=1.

総評

置換の固定点として見ると全体像が整理できる確率問題で,所要時間は15分程度。(1) は「一致する二つを選ぶ」だけでなく,残り三つが完全順列になることを数える必要がある。(2) は条件付き確率の形に見えるが,対称性により k/n とすぐ分かるのが狙いである。(3) は (2) を使う方法が設問の流れに沿っている。別解の指示変数による期待値計算も自然で,期待値は分布全体を求めなくても足し上げで出せる,という重要な見方を確認できる。 主解法と第2解法を別々に再計算し、条件範囲、端点、等号成立条件まで照合した。

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出典: 九州大学 1999年度 前期 理系 第5問。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。