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九州大学 1998年度 前期日程 第2次学力試験文系数学 第1問

放物線y=x22px上の点(t,t22pt)における接線を
y軸方向にbだけ平行移動した直線をl(t,b)とする.

(1) 直線l(t,b)の方程式を求めよ.

(2) この放物線と直線l(t,b)とが,
x座標が正の2点で交わるためのtbの範囲を求めよ.

(3) 放物線と直線l(t,b)とが2点で交わるとき,
これらが囲む図形の面積Sを求めよ.

(4) (3)の図形の面積Sを直線x=uで2等分したい.
uを求めよ.

難易度6/ 10計算量6/ 10目安25

微分積分図形と方程式 接線・法線面積計算、微積分の対称性

方針

接線をまず正確に求め、平行移動後の直線と放物線の差を b(xt)2 の形にする。交点の条件は方程式 (xt)2=b の2解がともに正になる条件に言い換える。面積は交点間で直線が放物線の上にあることを確認して積分し、二等分線は被積分関数が x=t に関して偶関数になることから決める。

解答

(1)

放物線を y=x22px とおくと、導関数は y=2x2p である。したがって、点 (t,t22pt) における接線は y(t22pt)=2(tp)(xt) であり、整理して y=2(tp)xt2 となる。これを y 軸方向に b だけ平行移動した直線は l(t,b):y=2(tp)xt2+b である。

(2)

放物線と直線の交点の x 座標は x22px=2(tp)xt2+b を満たす。左辺に集めると x22tx+t2b=0 すなわち (xt)2=b である。異なる2点で交わるには b>0 が必要で、このとき2解は x=tb,t+b である。2つの x 座標がともに正であるための条件は小さい方が正であること、すなわち tb>0 である。よって求める範囲は b>0,t>b または t>b>0 である。

(3)

交点間では、直線の y 座標から放物線の y 座標を引くと {2(tp)xt2+b}(x22px)=b(xt)2 である。したがって囲まれる面積は S=tbt+b{b(xt)2}dx である。ここで X=xt とおくと S=bb(bX2)dX=20b(bX2)dX となる。よってS=2[bXX33]0b=2(bbbb3)=43bbである。

(4)

(3) の被積分関数 b(xt)2x=t に関して対称である。実際、X=xt とおくと、左半分と右半分の面積は b0(bX2)dX,0b(bX2)dX で、偶関数の積分だから等しい。したがって面積を二等分する直線は対称軸 x=t である。ゆえに u=t である。

x=t を中心に対称な交点と面積

別解

解法2

方針

交点の x 座標を α,β とおき、解と係数の関係で処理する。直線と放物線の差は根を用いて (xα)(xβ) と書けるため、面積と二等分線を根の差・中点から直接求める。

解答

(1)

接点における接線はy(t22pt)=2(tp)(xt)である。これを y 軸方向へ b だけ移すとl(t,b):y=2(tp)xt2+bとなる。

(2)

放物線との交点の x 座標を α,β とする。両式を等置するとx22tx+t2b=0だからα+β=2t,αβ=t2b.相異なる2根をもつには b>0、2根がともに正であるには和と積が正であることが必要十分である。よってt>0,0<b<t2である。

(3)

直線と放物線の差は(xα)(xβ)=(xα)(βx)である。d=βα=2b とおき、x=α+du と変数変換するとS=αβ(xα)(βx)dx=d301u(1u)du=d36.したがってS=(2b)36=43bb.(4)

面積密度 (xα)(βx) は中点 (α+β)/2 に関して対称である。したがって二等分線はx=α+β2=tであり、u=t である。

総評

接線、交点条件、面積積分が一直線につながる標準的な微積分問題で、想定時間は25分程度。得点差がつくのは(2)の b>0tb>0 を同時に書けるか、(3)で直線と放物線の上下関係を差 b(xt)2 として確認できるかである。(4)は計算で押すより、(3)の積分区間と integrand の対称性を見抜くのが速い。p が最終結果に出ない理由も、交点方程式から消えていることを答案中で確認しておくと見通しがよい。

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出典: 九州大学 1998年度 前期 文系 第1問。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。