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九州大学 1999年度 後期日程 第2次学力試験理系(後期)数学 第2問

関数f(x)=x+1xについて以下の問いに答えよ.

(1) 曲線y=f(x)の接線のうち,傾きがaであるものはa<1のとき2つ存在する.
その2つの方程式を求めよ.

(2) 第1象限において,曲線y=f(x)とその接線および直線x=2cにより囲まれる領域の面積Sを求めよ.
ただし,cは接点のx座標である.

(3) 2つの接線の間の距離Daの関数として表せ.また,Dの最大値を求めよ.

難易度7/ 10計算量7/ 10目安18

微分積分図形と方程式 接線・法線面積計算微分による最大最小

方針

(1)f(x)=11/x2 から傾き a をもつ接点を x=±c とおく。接線の切片は接点を代入して丁寧に整理する。(2) は第1象限なので正の接点 x=c の接線を使い,曲線と接線の差を c から 2c まで積分する。(3) は二本の接線が平行であることから直線間距離を出し,u=1/c2=1a とおいて一変数関数 D2 の最大値を求める。

解答

(1) f(x)=x+1x より f(x)=11x2. 傾きが a であるためには 11x2=a である。これは x2=11a を意味するので,接点が二つ存在するのは a<1 のときである。ここで c=11a>0 とおくと,接点の x 座標は x=c,c である。また a=11c2 である。 x=c での接線は y=a(xc)+c+1c である。切片を整理すると c+1cac=c+1c(11c2)c=2c だから y=(11c2)x+2c. 同様に x=c での接線は y=(11c2)x2c. したがって二つの接線はy=(11c2)x±2c,c=11aである。

(2)

第1象限の接点は x=c である。曲線と接線の差は(x+1x){(11c2)x+2c}=xc2+1x2c.したがって求める面積はS=c2c(xc2+1x2c)dx.計算するとS=[x22c2+logx2xc]c2c=(2+log(2c)4)(12+logc2)=log212.よって S=log212 である。

(3)

二つの接線は平行で,傾きは 11c2 である。切片の差は 4/c だから,二直線間の距離は D=4/c1+(11c2)2. ここで u=1c2=1a とおくと,u>0 であり D2=16u(1u)2+1=16uu22u+2. 右辺を G(u) とおくとG(u)=16{(u22u+2)u(2u2)}(u22u+2)2=16(2u2)(u22u+2)2.したがって u>0 では u=2 で最大となる。これは a=12 に対応する。このとき Dmax2=162(12)2+1=8+82. よってD=4/c1+a2,Dmax=8+82である。

別解

解法2

方針

接点を x=±c とおき、接線を c で統一して表す。面積では x=ct と置いて c を消去し、二直線間距離は u=1/c2 の有理式にして最大化する。

解答

(1)
f(x)=11/x2=a よりc=11a>0,x=±c.接線はy=ax±2c.(2)
正の接点側で x=ct とおく。曲線と接線の差はxc2+1x2c=1c(t+1t2).従ってS=12(t+1t2)dt=log212.(3)
平行線間の距離はD=4/c1+a2.u=1/c2=1a>0 とするとD2=16uu22u+2.微分すれば増減の境は u=2 であり、a=12,Dmax=8+82.

総評

微分,接線,面積,二直線間距離が連続して出てくる総合問題で,所要時間は18分程度。(1) では a<1 のとき接点が ±c の二つになること,切片が ±2/c になることを丁寧に整理する。(2) の面積は接線が下側にあることを前提に,曲線から接線を引く向きを間違えないこと。(3) は D そのものより D2 を最大化すると計算が軽く,u=1/c2 の置換で分母が二次式になるのがポイントである。 主解法と第2解法を別々に再計算し、条件範囲、端点、等号成立条件まで照合した。

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出典: 九州大学 1999年度 後期 理系 第2問。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。