Evolton

九州大学 1997年度 前期日程 第2次学力試験文系数学 第2問

関数f(x)=ax2+bx+c (a0)について,次の各問に答えよ.

(1) xの値がpからqまで変化するとき,関数f(x)の平均変化率を求めよ.
ただし,p<qとする.

(2) f(x)x=rにおける微分係数f(r)を定義にしたがって求めよ.

(3) (1)の平均変化率と,(2)のf(r)が一致するとき,rpqを用いて表せ.

(4) f(x)=x2とする.
このとき,放物線y=x2上の2点P(p,p2)Q(q,q2)における接線と放物線で
囲まれる図形の面積を求めよ.ただし,p<qとする.

難易度5/ 10計算量5/ 10目安25

微分積分 接線・法線面積計算、式変形

方針

(1) から(3)は定義どおりに差商を計算する。2次関数では、区間[p,q]の平均変化率が中点(p+q)/2での微分係数と一致することが出る。(4)はy=x2の2点における接線を求め、2接線の交点がx=(p+q)/2にあることを使って、放物線と各接線の差を左右に分けて積分する。最後の式はqpだけに依存するので、途中で(xp)2, (xq)2の形にすると計算が見やすい。

解答

(1)
平均変化率は f(q)f(p)qp である。ここで f(q)f(p)=a(q2p2)+b(qp)=(qp){a(p+q)+b} だから f(q)f(p)qp=a(p+q)+b である。

(2)
定義にしたがって f(r)=limh0f(r+h)f(r)h を計算する。f(r+h)f(r)=a{(r+h)2r2}+bh=a(2rh+h2)+bhであるから f(r+h)f(r)h=2ar+ah+b である。よって f(r)=2ar+b である。

(3)
(1)
と(2)が一致するので 2ar+b=a(p+q)+b である。a0より r=p+q2 である。

(4)
放物線y=x2x=p, x=qにおける接線はそれぞれ y=2pxp2,y=2qxq2 である。この2直線の交点のx座標を求めると 2pxp2=2qxq2 より x=p+q2 である。

放物線とx=pでの接線との差は x2(2pxp2)=(xp)2 であり、放物線とx=qでの接線との差は x2(2qxq2)=(xq)2 である。したがって求める面積をSとすると S=p(p+q)/2(xp)2dx+(p+q)/2q(xq)2dx である。h=(qp)/2とおくと、2つの積分はどちらも 0hu2du=h33 に等しい。よってS=2h33=23(qp2)3=(qp)312である。

別解

解法2

方針

区間の中点 h=(p+q)/2 と半幅 d=(qp)/2 を用いる。2次式を x=h のまわりに展開すると、対称な2点の差商が f(h) に一致する。(4)も x=h+u と平行移動し、左右対称な面積として計算する。

解答

(1) h=p+q2,d=qp2とおく。2次式を h のまわりで書けばf(h+u)=au2+(2ah+b)u+f(h)である。従ってf(h+d)f(hd)2d=2ah+b=a(p+q)+b.従って平均変化率は a(p+q)+b である。

(2)
定義からf(r)=limε0f(r+ε)f(r)ε=2ar+b.(3)
両者が一致するのは a0 よりr=h=p+q2のときである。

(4)
座標をx=h+u,y=y2hx+h2と平行移動すると、放物線は y=u2 となり、P,Qu=d,d に移る。両点での接線はy=2dud2,y=2dud2で、交点は (0,d2) である。左右は対称だからS=20d{u2(2dud2)}du=20d(du)2du=2d33.d=(qp)/2 を戻してS=(qp)312を得る。

\Needspace{8cm}

総評

微分係数の定義と接線で囲まれる面積を結びつける問題で、目安時間は25分前後。(1)から(3)は計算自体は軽いが、平均変化率が中点での微分係数になるという意味を押さえると(4)の接線の交点が自然に見える。(4)では放物線と接線の差が完全平方になるため、積分範囲を左右に分ければ計算は短い。答えがqpのみに依存することも、検算として有効である。

冊子PDFで見る九大の微分の問題で問題集を作る

出典: 九州大学 1997年度 前期 文系 第2問。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。