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九州大学 1997年度 前期日程 第2次学力試験 微分・数列理系数学 第5問(c)

正の数ck乗根ckkは2以上の整数)の近似値を求めるためf(x)=xkc,g(x)=xf(x)f(x)(x>0)とおき,ck<a1,an+1=g(an),(n=1,2,3,)とする.

(1) ck<anならば,ck<an+1<anを示せ.

(2) k=3のとき,c3<anならば,
an+1c3<1c3(anc3)2を示せ.

(3) k=3c=2a1=1.3のとき,
a523<1251016を示せ.

難易度7/ 10計算量6/ 10目安30

微分数列指数・対数 接線・法線漸化式の変形、はさみうち

方針

r=ckとおく。更新式g(x)はニュートン法の式であり、x>rならg(x)<xはすぐ分かる。g(x)>ru=x/r>1として(k1)uk+1>kuk1を示す。(2)ではk=3の更新式を明示的に整理し、誤差an+1r(anr)2の倍数として表す。(3)は誤差漸化式を4回反復し、1.23<2<1.33から0<e1<0.1を使う。

解答

(1) r=ck とおく。x>0に対して g(x)=xxkckxk1=(k1)xk+ckxk1 である。 an>rならankc>0なので an+1=anankckank1<an である。次にan+1>rを示す。u=an/rとおくとu>1であり、c=rkだから an+1>r(k1)uk+1kuk1>1 と同値である。すなわち (k1)uk+1>kuk1 を示せばよい。左辺から右辺を引いたものを H(u)=(k1)ukkuk1+1 とおくと H(1)=0 であり H(u)=k(k1)uk2(u1)>0(u>1) である。よってu>1H(u)>0となる。したがって r<an+1<an である。

(2)
k=3とし、r=c3とおく。更新式は an+1=anan3r33an2=2an3+r33an2 である。したがってan+1r=2an3+r33ran23an2=(anr)2(2an+r)3an2である。

ここでan>r>0だから 2an+r3an2<1r である。実際、これは r(2an+r)<3an2 すなわち (anr)(3an+r)>0 と同値である。よって an+1r<1r(anr)2 である。

(3) r=23, en=anrとおく。(2)より en+1<en2r である。これを繰り返すとe2<e12r,e3<e14r3,e4<e18r7,e5<e116r15である。

また 1.23<2<1.33 なので 1.2<r<1.3 である。したがって 0<e1=1.3r<0.1 である。さらに r15=(r3)5=25 だから0<a523=e5<(0.1)1625=1251016である。

別解

解法2

方針

(1) では更新式を k 個の正数の相加平均とみて相加・相乗平均を使う。(2)以降は un=an/c3 と無次元化し、誤差が2乗されることを一つの式で追う。

解答

r=ck とおく。

(1) an+1=(k1)an+c/ank1k.右辺は ank1 個と c/ank1 を1個並べた相加平均である。相加・相乗平均よりan+1ank1cank1k=r.an>r では各数は等しくないため不等号は厳密である。またanan+1=ankckank1>0.従ってr<an+1<an.(2)
k=3, un=an/r>1 とするとun+1=2un3+13un2でありun+11=(un1)2(2un+1)3un2<(un1)2.両辺に r を掛けてan+1r<(anr)2r.(3)en=an23 とおくとe5<e116r15.1.23<2<1.33 だから 0<e1<0.1、またr15=(r3)5=25.従ってa523<(0.1)1625=1251016.\Needspace{9cm}

総評

ニュートン法の単調接近と誤差評価を扱う問題で、目安時間は30分前後。(1)は図形的に接線で説明することもできるが、更新式を代数的に整理すると不等式として確実に示せる。(2)ではan+1r(anr)2(2an+r)/(3an2)まで因数分解するのが核心である。(3)は誤差がほぼ2乗で小さくなることを4回反復し、e1<0.1r15=25を正確に使う。

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出典: 九州大学 1997年度 前期 理系 第5問。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。