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九州大学 1998年度 前期日程 第2次学力試験理系数学 第3問

平面上の曲線Cが媒介変数tを用いて
x=sinttcosty=cost+tsint (0tπ)で与えられている.

(1) 曲線Cの長さを求めよ.

(2) 曲線C上の各点Pにおいて,Pにおける接線とPで直交する直線を考える.
この直線上の点で原点までの距離が最短となる点は,Pを動かすときどんな図形を描くか.

(3) 0πtsin2tdtを求めよ.

(4) 曲線Cy軸および直線y=1で囲まれる図形の面積Sを求めよ.

難易度7/ 10計算量7/ 10目安35

微分積分図形と方程式 定積分評価接線・法線面積計算

方針

媒介変数表示を微分し、速度ベクトル (tsint,tcost) から弧長と法線を求める。法線上で原点に最も近い点は、直線に原点から下ろした垂線の足として計算する。面積は x0tπ で増加することを使い、dx=tsintdt によって t の積分に直す。

解答

(1) x=sinttcost,y=cost+tsint を微分すると dxdt=cost(costtsint)=tsint であり、dydt=sint+(sint+tcost)=tcost である。したがって曲線の長さは0π(tsint)2+(tcost)2dt=0πtdt=π22である。

(2)

P における接線方向ベクトルは (tsint,tcost) である。t=0 では極限として考えればよく、0<tπ ではこれに垂直な直線、すなわち法線は sint{X(sinttcost)}+cost{Y(cost+tsint)}=0 である。整理すると Xsint+Ycost=1 となる。

この直線の法線ベクトル (sint,cost) は長さ1であるから、原点からこの直線に下ろした垂線の足は (sint,cost) である。したがって求める点の軌跡は X2+Y2=1,X0 で表される右半円である。

(3)

部分積分により0πtsin2tdt=[tcos2t2]0π+120πcos2tdt.第2項は0であり、cos2π=1 だから 0πtsin2tdt=π2 である。

(4) 0tπ では dxdt=tsint0 である。したがって求める面積は、曲線の y 座標と直線 y=1 の差を x について積分して S=0π(y+1)dxdtdt と表せる。よって S=0π(cost+tsint+1)tsintdt である。

ここで 0πtsintdt=π であり、また(3)より0πtsintcostdt=120πtsin2tdt=π4である。さらに0πt2sin2tdt=120πt2dt120πt2cos2tdt.部分積分と(3)から0πt2cos2tdt=[t2sin2t2]0π0πtsin2tdt=π2である。したがって 0πt2sin2tdt=π36π4 である。

以上よりS=π4+(π36π4)+π=π36+π2である。

曲線 C と右半円 x2+y2=1

別解

解法2

方針

曲線を単位円の伸開線として読む。位置ベクトルを単位円上の点とその接線方向に分解すると、法線への垂線の足が単位円上へ戻ることが直ちに分かる。弧長と面積は同じ分解から積分する。

解答

Q(t)=(sint,cost),N(t)=(cost,sint)とおくとP(t)=Q(t)+tN(t)が曲線 C の点である。またP(t)=tQ(t).(1)

P(t)=t なので、弧長は0πtdt=π22.(2)

P(t)Q(t) の方向であるから、P における法線は N(t) の方向である。法線上の点はP(t)+λN(t)=Q(t)+(t+λ)N(t).Q(t)N(t) なので、原点に最も近いのは λ=t のときの Q(t) である。0tπ より、その軌跡はx2+y2=1,x0という右半円である。

(3)

部分積分により0πtsin2tdt=[tcos2t2]0π+120πcos2tdt=π2.(4)

dx=tsintdt であり、領域の上端は y=cost+tsint、下端は y=1 である。よってS=0π(1+cost+tsint)tsintdt.3項を分け、(3)と部分積分を用いると0πtsintdt=π,0πtsintcostdt=π4,0πt2sin2tdt=π36π4.したがってS=π36+π2.

総評

媒介変数、法線、面積積分がそろった計算重めの問題で、想定時間は35分程度。dx/dt=tsintdy/dt=tcost がきれいに出るため、ここを正確に計算できれば全体の見通しが立つ。(2)は法線の式を Xsint+Ycost=1 に整理するのが山場で、(4)は dx=tsintdt を使って面積を一変数積分に落とすこと、さらに(3)の積分値を再利用することが得点源になる。

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出典: 九州大学 1998年度 前期 理系 第3問。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。