方針
係数を2で割った余りだけを見る問題なので、実質的には係数が0か1の多項式を、係数の偶奇だけで計算する。2次が可約なら1次因数をもつため、 を代入して判定できる。3次でも可約なら必ず1次因数をもつので同じ判定でよい。4次では1次因数の有無に加え、1次因数をもたずに可約となる場合、2次式どうしの積に限られることを使い、唯一の2次既約多項式 の平方と比較する。
解答
以下では、係数を2で割った余りだけを考える。すなわち、係数の計算では とみなしてよい。
(1) が可約であるとすると、2次式であるから1次のM多項式を因数にもつ。1次のM多項式は だけである。
ところが、 を代入すると であり、 を代入すると である。したがって も も因数ではない。よって は既約である。
(2)
1次のM多項式は であり、これらは1次以上の2つの多項式の積には分解できないので既約である。
2次のM多項式を調べる。定数項が0なら を因数にもつので可約である。また で可約である。残る は(1)より既約である。したがって2次の既約なものは だけである。
3次のM多項式が可約なら、次数の分け方は1次と2次であるから、必ず1次因数をもつ。したがって または を代入して0になるものは可約であり、どちらでも0にならないものが既約である。定数項は1でなければならないので候補は である。このうち は で0になるので可約である。一方 は のどちらを代入しても0にならない。よって既約である。
以上より、1次から3次までの既約なM多項式は である。
(3) とおく。まず であるから、 は1次因数をもたない。
もし が可約なら、4次式で1次因数をもたないので、2次の既約M多項式どうしの積と合同でなければならない。2次の既約M多項式は だけである。そこで を係数の偶奇で見ると である。これは と一致しない。
したがって は可約ではない。すなわち既約なM多項式である。
別解
解法2(次数別の因子候補の全列挙)
方針
次数ごとに候補を列挙し、可約ならどの次数の因子が必要かを先に固定する。
1次因子は の2個しかない。4次で1次因子がなければ、
2次既約式どうしの積だけを調べればよい。
解答
係数の偶奇だけを計算する。
(1)
2次式が可約なら1次因子をもつ。1次M多項式は だけであるが、なので、どちらも因子ではない。従って は既約である。
(2)
1次式 は既約である。2次では定数項0の式は を因子にもち、だから、既約なのは だけである。
3次式が可約なら1次因子をもつ。定数項1の4候補を で調べると、は可約であり、は のどちらでも0にならないので既約である。従って答はである。
(3)
は なので1次因子をもたない。
可約なら2次既約式2個の積であるが、2次既約式は だけである。従って は既約である。
総評
難度は10段階中7、計算量は10段階中6。目安は25分。係数の偶奇だけを見る、つまり2で割った余りの世界で因数分解を考える問題である。2次・3次では1次因数の有無を の代入で判定できる。4次では「1次因数がないなら、可約の場合は2次×2次に限られる」と言えるかが山場である。低次の候補を全部書き出す作業を省くと漏れやすいので、答案では候補の除外理由を明示したい。