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九州大学 2001年度 前期日程 第2次学力試験 確率・場合の数理系数学 第4問(b)

サイコロをn回振って,出た目を小さい方から順に並べ,
i番目をXi (i=1,,n)とする.

(1) n=7のとき,3の目が3回,5の目が2回出たとする.
このときX4のとりうる値をすべて求めよ.

(2) 一般のnに対して,X1=2となる確率P (X1=2)を求めよ.

(3) 一般のnに対して,X1の期待値E(X1)を求めよ.

(4) limn1nlog(E(X1)1)を求めよ.
ここで,logは自然対数を表す.

(5) 一般のnに対して,期待値E(X1+Xn)を求めよ.

難易度6/ 10計算量6/ 10目安20

確率場合の数指数・対数 数え上げ、期待値、極限計算

方針

X1 は最小値なので、分布や期待値は P(X1k) から出す。極限では E(X1)1(5/6)n+(4/6)n++(1/6)n となり、最大項 (5/6)n と同じ指数的な大きさをもつことを上下から挟む。最後の E(X1+Xn) は、サイコロの目を j7j と反転する対称性で求める。

解答

(1)

3の目が3回、5の目が2回出ている。残り2回の目は3でも5でもない。残りの目が小さい側に入れば4番目は3になり、4が入れば4番目が4になる場合があり、残りの目が大きい側に入れば4番目は5になる。したがって X4=3,4,5 がすべて起こり得る値である。

(2) X1=2 は、すべての目が2以上で、しかもすべての目が3以上ではないことを意味する。よって P(X1=2)=P(X12)P(X13) であり、P(X1=2)=(56)n(46)n である。

(3) X1 は1から6までの整数値をとるのでE(X1)=k=16P(X1k)である。また X1k は、n 回すべてで k 以上の目が出ることだから P(X1k)=(7k6)n である。したがってE(X1)=j=16(j6)nである。

(4)

(3) よりE(X1)1=j=15(j6)nである。この和の最大項は (5/6)n であるから (56)nE(X1)15(56)n である。自然対数をとると nlog56log(E(X1)1)log5+nlog56 である。全体を n で割って n とすると、はさみうちよりlimn1nlog(E(X1)1)=log56である。

(5)

出た目をすべて j7j に置き換えると、各結果の起こりやすさは変わらない。この対応で最小値 X17Xn に移る。したがって E(X1)=E(7Xn)=7E(Xn) である。よって E(X1+Xn)=7 である。

別解

解法2

方針

最小値の確率質量関数を直接書いて期待値を差の和として整理する。
極限では最大項をくくり出し、残りの比が1へ収束することから
対数の極限を求める。最大値も直接分布から計算する。

解答

(1)
残り2個を (1,2)(4,4)(6,6) とすれば
X4=3,4,5 が実現する。他の値は既存の3個の3と2個の5により
4番目には来ない。よって答えは 3,4,5 である。

(2) P(X1=2)=(56)n(46)n.(3)P(X1=j)=(7j6)n(6j6)n.これを j=1,,6 で期待値へ代入し、差をまとめるとE(X1)=k=16(k6)n.(4)E(X1)1=(56)n{1+(45)n++(15)n}.波括弧内は1へ収束するから、その対数を n で割ったものは0へ収束する。
よってlimn1nlog(E(X1)1)=log56.(5)
最大値について同様に整理するとE(Xn)=6k=15(k6)n.(3)の式はE(X1)=1+k=15(k/6)nだから、
E(X1+Xn)=7 である。

総評

最小値の分布、期待値、指数的な極限をまとめて扱う確率問題。難度は標準上位、計算量は中程度で、目安時間は20〜24分。P(X1k) を使うと(2)(3)が短くまとまる。(4)では和全体を厳密に計算する必要はなく、最大項 (5/6)n で上下から挟めばよい。最後の最大値との和は分布の対称性を使う問題で、直接 Xn の期待値を計算し始めるより、目の反転を考える方が確実である。

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出典: 九州大学 2001年度 前期 理系 第4問(大学公式の問題PDF)。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。