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九州大学 2000年度 前期日程 第2次学力試験 図形と方程式・複素数平面理系数学 第5問(b)

平面上の点の極座標を,原点Oからの距離r (0)と偏角θを用いて(r,θ)で表す.

(1) 平面上の2曲線C1:r=2cos(π+θ),C2:r=2(cosθ+1)(ただし,π2<θ<3π2)の概形を描き,この2曲線C1C2の交点の極座標を求めよ.

(2) 平面上の3点P1P2Eの極座標をそれぞれ(r1,θ1)(r2,θ2)
(1,0)とするとき,三角形OEP1と三角形OP2Qとが相似となる点QP1P2で表す.
P1P2の極座標を求めよ.
ただし,点QEOP1=P2OQとなるように向きも込めて定める.

(3) 3点OP1P2が同一直線上にないとき,
四角形OP1RP2が平行四辺形となるような点RP1P2で表す.
P1P2の極座標が(r1,θ1)(r2,θ2)r1=r2=rのとき,
P1P2の極座標を求めよ.

(4) さらに,平面上の点Pの極座標を(r,θ)として,実数kに対し点kPを,
k0のときは極座標が(kr,θ)となる点,k<0のときは(kr,θ+π)となる点とする.
(1)で求めた2曲線C1C2の交点をVとして,
k(V(VV))が曲線C1上にあるためのkの条件を求めよ.

難易度7/ 10計算量6/ 10目安30

図形と方程式複素数平面三角関数 複素数の極形式、図形的解釈軌跡

方針

(1) は極方程式を直交座標へ直し、C1 が中心 (1,0)、半径1の円であることを読む。交点は同じ θ で2つの r が一致する条件から求める。(2)は相似比と偏角の加法を使い、 が極座標の積に対応することを示す。(3)は同じ長さの2ベクトルの和を、二等辺三角形の対角線として表す。(4)は交点 VVVV(VV) を順に求め、最後に符号つき拡大 kPC1 上に乗る条件を調べる。

解答

(1) C1:r=2cos(π+θ)=2cosθ である。両辺に r を掛けると r2=2rcosθ であり、x=rcosθr2=x2+y2 より x2+y2=2x である。すなわち (x+1)2+y2=1 で、中心 (1,0)、半径1の円である。

一方 C2:r=2(1+cosθ) である。交点では 2cosθ=2(1+cosθ) だから cosθ=12 である。与えられた範囲 π/2<θ<3π/2 では θ=2π3,θ=4π3 であり、このとき r=2cosθ=1 である。したがって交点の極座標は (1,2π3),(1,4π3) である。

(2)
E は極座標 (1,0) なので OE=1 である。三角形 OEP1OP2Q が相似で、OE に対応する辺が OP2OP1 に対応する辺が OQ であるから OQOP1=OP2OE=r2 である。よって OQ=r1r2 である。

また、向きも込めて EOP1=θ1 であり、これが P2OQ に等しいので、Q の偏角は θ2+θ1 である。したがって P1P2=(r1r2,θ1+θ2) である。

(3) P1P2 を原点から出るベクトルと見れば、平行四辺形 OP1RP2 の点 R はベクトル和 OR=OP1+OP2 である。r1=r2=r なので、2つの同じ長さのベクトルの和は、偏角の平均方向を向く。長さは余弦定理、または二等辺三角形から 2rcosθ1θ22 である。

したがって、cosθ1θ220 の表示ではP1P2=(2rcosθ1θ22,θ1+θ22)である。もしこの余弦が負になる表示を用いる場合は、距離を正にするため偏角を π だけ加えればよい。

(4)
交点の一つを V=(1,2π3) とする。もう一つを選んでも同じ結果になる。まず(2)より VV=(1,4π3) である。次に(3)より、偏角 2π/34π/3 の単位ベクトルの和は、負の x 軸方向の長さ1のベクトルである。したがって V(VV)=(1,π) である。

k(V(VV)) を考える。k>0 のとき、この点の極座標は (k,π) である。これが C1 上にあるには k=2cosπ=2 が必要十分である。k=0 では原点であり、与えられた C1 の交点としては現れない。k<0 のときは点は正の x 軸上に移るが、円 (x+1)2+y2=1 は正の x 軸上の正の点を含まない。したがって条件は k=2 である。

別解

解法2(複素数の積と和)

方針

点を複素数 reiθ と同一視する。
は複素数の積、 は和になるため、(2)以降を代数演算で一括する。

解答

(1) C1: r=2cosθなのでx2+y2=2x,(x+1)2+y2=1.C2r=2(1+cosθ) のカージオイドである。
交点では2cosθ=2(1+cosθ)より(r,θ)=(1,2π3),(1,4π3).(2)
Pj に対応する複素数を zj=rjeiθj とする。
相似比と有向角の和からP1P2z1z2.従って極座標は(r1r2,θ1+θ2).(3)
平行四辺形の第4頂点は z1+z2 である。r1=r2=r ならz1+z2=2rcosθ1θ22ei(θ1+θ2)/2.半径を正にする必要があれば偏角へ π を加える。

(4)
交点の一つを v=e2πi/3 とするとvv=v2=e4πi/3,v(vv)=v+v2=1.従って対象点は k である。円 C1 の条件はk+1=1,従って k=0,2 である。ただし k=0
π/2<θ<3π/2 のパラメータ範囲では C1 に含まれない。
よってk=2.

総評

難度は10段階中7、計算量は10段階中6。目安は30分。極座標では、同じ点でも偏角を変えられるため、距離を常に非負にする処理が必要である。(2)の は距離の積・偏角の和、(3)の はベクトル和であり、演算の意味を図形から読み取ると計算しやすい。(4)では V(VV)(1,0) になることを確認し、負の kk=0 を雑に含めないよう注意する。

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出典: 九州大学 2000年度 前期 理系 第5問(b)。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。