Evolton

九州大学 2002年度 前期日程 第2次学力試験 三角関数・関数文系数学 第3問(b)

次の問いに答えよ.

(1) nを正の整数とする.どんな角度θに対してもcosnθ=2cosθcos(n1)θcos(n2)θが成り立つことを示せ.
また,あるn次式pn(x)を用いてcosnθcosnθ=pn(cosθ)と表されることを示せ.

(2) pn(x)nが偶数ならば偶関数,奇数ならば奇関数になることを示せ.

(3) 整式pn(x)の定数項を求めよ.
また,pn(x)の1次の項の係数を求めよ.

難易度6/ 10計算量5/ 10目安20

三角関数関数数列 数学的帰納法漸化式の変形恒等式比較

方針

(1) は加法定理の和積公式から cosnθ の漸化式を作り、その漸化式を x=cosθ の整式 pn(x) に移す。(2) は p1 が奇関数、p2 が偶関数であることを出発点に、pn=2xpn1pn2 で偶奇が交互に続くことを帰納的に示す。(3) は偶数次の定数項と奇数次の1次係数だけを取り出し、漸化式で追跡する。

解答

(1) 和積公式 cosA+cosB=2cosA+B2cosAB2A=nθ,B=(n2)θ を代入すると cosnθ+cos(n2)θ=2cos(n1)θcosθ である。したがって cosnθ=2cosθcos(n1)θcos(n2)θ を得る。

次に p1(x)=x,p2(x)=2x21 とおく。さらに n3 について pn(x)=2xpn1(x)pn2(x) と定める。このとき上の漸化式により、帰納的に cosnθ=pn(cosθ) が成り立つ。また pnn 次式である。実際、pn1 の最高次項に 2x を掛けることで n 次項が生じ、pn2 では打ち消されない。

(2) p1(x)=x は奇関数、p2(x)=2x21 は偶関数である。いま pn1pn2 が添字の偶奇に応じて偶関数・奇関数になっているとする。 n が奇数のとき、n1 は偶数なので pn1 は偶関数であり、2xpn1(x) は奇関数である。また n2 は奇数なので pn2 も奇関数である。したがって pn は奇関数である。 n が偶数のときも同様に、2xpn1(x)pn2(x) はともに偶関数であり、pn は偶関数である。よって n が偶数なら pn は偶関数、奇数なら奇関数 である。

(3) (2) より、pn の定数項は n が奇数なら0であり、1次の項の係数は n が偶数なら0である。そこで、p2m の定数項を amp2m1 の1次の項の係数を bm とおく。 p2(x)=2x21, p1(x)=x より a1=1,b1=1 である。

漸化式 p2m+2=2xp2m+1p2m の定数項を見ると、2xp2m+1 の定数項は0であるから am+1=am である。よって am=(1)m である。

また p2m+1=2xp2mp2m1 の1次の係数を見ると、2xp2m の1次係数は 2am であるから bm+1=2ambm である。am=(1)mb1=1 から帰納的に bm=(2m1)(1)m1 が得られる。

したがって、定数項は{0(n が奇数),(1)n/2(n が偶数),であり、1次の項の係数は{n(1)(n1)/2(n が奇数),0(n が偶数)である。

別解

解法2(特殊角への代入と微分)

方針

漸化式で pn の存在を示した後、x=cosθ
cos(πθ) と見て偶奇性を直接判定する。定数項は
θ=π/2 の代入、1次係数は恒等式を θ で微分して求める。

解答

(1)
加法定理からcosnθ+cos(n2)θ=2cosθcos(n1)θである。p0(x)=1, p1(x)=x とし、pn(x)=2xpn1(x)pn2(x)と定めれば、帰納的に cosnθ=pn(cosθ) となり、
最高次項も消えないので pnn 次式である。

(2)
x=cosθ とすると x=cos(πθ) だからpn(x)=cos{n(πθ)}=(1)ncosnθ=(1)npn(x).よって n が偶数なら偶関数、奇数なら奇関数である。

(3)
θ=π/2 を代入すると定数項はpn(0)=cosnπ2={0(n が奇数),(1)n/2(n が偶数)である。

恒等式を θ で微分するとnsinnθ=sinθpn(cosθ).再び θ=π/2 とおけばpn(0)=nsinnπ2={n(1)(n1)/2(n が奇数),0(n が偶数)である。pn(0)pn の1次項の係数そのものである。

総評

難度6、計算量5。目安時間は
24〜28分。
主題は三角関数・関数・数列である。解法1では誘導に沿った標準的な答案を、解法2では
異なる見方から全小問を再構成した。採点では、途中の必要条件を十分条件まで戻すこと、
場合分けの境界・等号条件・定義域を明記することが重要である。

冊子PDFで見る九大の三角関数の問題で問題集を作る

出典: 九州大学 2002年度 前期 文系 第3問(b)(大学公式の問題PDF)。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。