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九州大学 2004年度 前期日程 第2次学力試験理系数学 第3問

座標平面上を動く点P(x(t),y(t))の時刻tにおける座標が
{x(t)=cos(t+π4)y(t)=cos(2t)
(0t<2π)で与えられているとし,この点の軌跡をCとする.

(1) Pが原点を通るときの速度ベクトルを求めよ.

(2) Cx軸,y軸に関して対称であることを示せ.

(3) Cの概形を描け.

(4) Cが囲む図形の面積を求めよ.

難易度7/ 10計算量7/ 10目安30

三角関数微分積分図形と方程式 軌跡対称性の利用面積計算

方針

媒介変数を直接扱う部分と、軌跡の方程式に消去する部分を分ける。(1)は x(t),y(t) を微分し、原点を通る t を代入する。(2)以降は s=t+π/4 とおくと x=coss, y=sin2s となるので、y2=4x2(1x2) を得る。この式から両軸対称性、概形、面積を読み取る。面積は上半分と下半分、および左右対称性を使い、4012x1x2dxに帰着する。

解答

(1)

P が原点を通るには cos(t+π4)=0,cos2t=0 が同時に成り立てばよい。 0t<2π で調べると、t=π4,5π4 の2つである。実際、これらの値では t+π/4 がそれぞれ π/2,3π/2 となり、2t がそれぞれ π/2,5π/2 となる。

速度ベクトルは(dxdt,dydt)=(sin(t+π4)2sin2t)である。したがって t=π4のとき(1,2), t=5π4のとき(1,2) である。

(2) s=t+π4 とおく。このとき x=coss であり、また y=cos2t=cos(2sπ2)=sin2s である。したがって y=2sinscoss=2xsins であるから、両辺を2乗して y2=4x2sin2s=4x2(1cos2s)=4x2(1x2) を得る。

この方程式は xx に変えても、また yy に変えても変わらない。よって軌跡 Cy 軸に関して対称であり、また x 軸に関しても対称である。

(3)

(2) より軌跡は y2=4x2(1x2),1x1 で表される。すなわち y=±2x1x2 である。

この式から、x=1,0,1y=0 となる。さらに右側 0x1 では原点と (1,0) を結ぶ上下対称のふくらみを作り、左側 1x0 でも (1,0) と原点を結ぶ同じ形のふくらみを作る。したがって概形は、原点で接する左右2つの閉じたふくらみをもち、全体として x 軸・y 軸の両方に関して対称な曲線である。

(4)

対称性より、全体の面積は右上部分の4倍である。右上部分では 0x1 かつ y=2x1x2 であるから、求める面積 SS=4012x1x2dxである。

ここで u=1x2 とおくと du=2xdx であり、012x1x2dx=01u1/2du=23である。したがって S=423=83 である。

原点で接する二つのループ

別解

解法2

方針

軌跡の式を消去せず、s=t+π/4 による媒介表示 x=coss, y=sin2s のまま一つのループの面積を線積分で求め、対称な二つのループを足す。

解答

(1)
原点を通るのはt=π4,5π4.速度ベクトルはそれぞれ(1,2),(1,2)である。

(2) s=t+π4 と置けばx=coss,y=sin2s.sπsx の符号だけが変わり,ssy の符号だけが変わるので,両軸対称である。

(3) y2=4x2(1x2),1x1であり,原点で接する左右二つのループを描く。

(4)
右側の一つのループは π2sπ2 で一周する。その符号付き面積の絶対値はSright=π/2π/2xdydsds=π/2π/22cosscos2sds=43.左右は同面積だからS=2Sright=83.

総評

難度7、計算量7。目安時間は25〜32分。媒介変数表示のまま全部を押し切るより、s=t+π/4 と置いて x=coss, y=sin2s に直すのが決定的である。軌跡の式 y2=4x2(1x2) が得られれば、対称性、概形、面積が一つの流れで処理できる。概形では2つのふくらみが原点で接することを落としやすい。面積は左右上下の4倍を使うため、積分範囲を 0x1 に限定してから計算する。

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出典: 九州大学 2004年度 前期 数学(大学公式の問題PDF)。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。