Evolton

九州大学 2003年度 前期日程 第2次学力試験理系数学 第1問

xy平面上で,
x=r(t)costy=r(t)sint (0tπ)
で表される曲線をCとする.

(1) r(t)=etのとき,
xの最小値とyの最大値を求め,
Cの概形を図示せよ.

(2) 一般に,すべての実数tで微分可能な関数r(t)に対し,0π{r(t)}2r(t)sin2tcostdt=0π{r(t)}3(sin3t23sint)dtが成り立つことを示せ.
ここで,r(t)r(t)の導関数である.

(3) (1)で求めた曲線Cx軸とで囲まれる図形を,
x軸のまわりに一回転してできる立体の体積VV=2π30πe3tsintdtと表せることを示せ.

難易度8/ 10計算量7/ 10目安30

積分微分図形と方程式 置換積分、部分積分、体積計算

方針

(1)r(t)=et を代入して x=etcosty=etsint をそれぞれ微分し、端点も含めて最小・最大を確認する。(2) は r(t)3sin2tcost の導関数を積分し、端点で sint=0 となることから恒等式を得る。(3) は回転体の体積をπy2(dx)の形で表し、(2) の恒等式を代入して指定された式へ整理する。

解答

(1) r(t)=et のとき x=etcost,y=etsint である。

まず x を微分すると dxdt=et(costsint) である。したがって dx/dt=0 となるのは cost+sint=0 すなわち、0tπ では t=3π4 である。端点も調べるとx(0)=1,x(π)=eπ,x(3π4)=e3π/42である。よって最小値は e3π/42 である。

次に y を微分すると dydt=et(costsint) である。dy/dt=0 となるのは t=π4 であり、端点では y(0)=y(π)=0 である。したがって最大値は eπ/42 である。

曲線 C(1,0) から出発し、上半平面を通って、原点へ近づきながら左側へ回り、最後に (eπ,0) に至る。左端は t=3π/4、最も高い点は t=π/4 である。

(2) F(t)={r(t)}3sin2tcost とおく。積の微分によりF(t)=3r(t)2r(t)sin2tcost+r(t)3{2sintcos2tsin3t}.ここで t=0,π では sint=0 なので F(0)=F(π)=0 である。したがって F(t)0 から π まで積分すると0=30πr2rsin2tcostdt+0πr3(2sintcos2tsin3t)dt.よって0πr2rsin2tcostdt=130πr3(sin3t2sintcos2t)dt=0πr3(sin3t23sint)dtである。これで示された。

(3)
媒介変数表示より dx=(r(t)costr(t)sint)dt,y=r(t)sint である。曲線と x 軸で囲まれる図形を x 軸のまわりに回転すると、体積はV=π0πr(t)2sin2t{r(t)sintr(t)cost}dtと表せる。これは πy2 を、曲線が右から左へ進む向きの dx で積み上げる式である。

したがってV=π0πr3sin3tdtπ0πr2rsin2tcostdt.(2) を用いるとV=π0πr3sin3tdtπ0πr3(sin3t23sint)dt=2π30πr3sintdt.ここで r(t)=et を代入すればV=2π30πe3tsintdtである。

別解

解法2(極座標の微小体積)

方針

(1) (2) は微分と部分積分で処理する。(3) は極座標の微小面積を x 軸回転し、半径方向も積分して体積公式を直接導く。

解答

(1) x(t)=et(cost+sint),y(t)=et(costsint)より、端点も比較してminx=e3π/42,maxy=eπ/42.(2)0πr2rsin2tcostdt=130π(r3)sin2tcostdtに部分積分を用いる。端点では sint=0 だから境界項は0であり、130πr3(2sintcos2tsin3t)dt=0πr3(sin3t23sint)dt.(3)
t の方向、原点からの距離 ρ にある微小面積はdA=ρdρdt.これを x 軸のまわりに回すと、その重心が描く円周は
2πρsint だから微小体積はdV=2πρ2sintdρdt.よってV=0π0r(t)2πρ2sintdρdt=2π30πr(t)3sintdt.r(t)=et を代入すればV=2π30πe3tsintdt.

総評

難度8、計算量7。目安時間は24〜32分。採点ポイントは、(1) で端点も含めて極値を確認すること、(2) でどの関数を微分すればよいかを見抜くこと、(3) で体積式の rsintrcostdx/dt から来ることを説明することです。

誤りやすいのは、(2) の微分後に cos2t=1sin2t を使う整理を落とすことです。また、(3) では単に公式を暗記しているように書くと符号が不明確になります。曲線が上半平面にあり、x 軸との囲みを回転するため、πy2 を横方向に積み上げるという意味を添えると安全です。

冊子PDFで見る九大の積分の問題で問題集を作る

出典: 九州大学 2003年度 前期 理系 第1問(大学公式の問題PDF)。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。