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九州大学 2002年度 後期日程 第2次学力試験理系(後期)数学 第3問

aを実数としf(a)=11exadxとおく.

(1) 上記右辺の定積分を求めよ.

(2) aがすべての実数の値をとって動くとき,
f(a)を最小にするaの値とf(a)の最小値を求めよ.

(3) 2.7<e<2.8であることを用いて23<log2<45を示せ.
さらにこの結果を利用して,区間0a2におけるf(a)の最大値を求めよ.
ただし,logは自然対数を表す.

難易度6/ 10計算量6/ 10目安20

積分指数・対数関数 絶対値の処理、場合分け、微分による最大最小

方針

絶対値の中身 exa の符号が変わるかどうかを、ae1e1<a<eea に分けて積分する。最小値は得られた区分式の増減から判定する。最後は 2.7<e<2.8 を累乗して log2 の上下評価に直し、区間 0a2 では端点比較だけで最大値を決める。

解答

(1) ex1x1e1exe を動く。したがって a の位置で場合分けする。

まず ae1 のとき、常に exa0 であるからf(a)=11(exa)dx=ee12aである。

次に e1<a<e のとき、ex=a となる点は x=loga である。よってf(a)=1loga(aex)dx+loga1(exa)dx={a(x)ex}1loga+{exax}loga1=e+e12a+2aloga.最後に ea のとき、常に aex0 であるからf(a)=11(aex)dx=2ae+e1である。

以上よりf(a)={ee12a(ae1),e+e12a+2aloga(e1<a<e),2ae+e1(ea)である。

(2) ae1 では f(a)=ee12a だから、a が増えると f(a) は減少する。ea では f(a)=2ae+e1 だから、a が増えると f(a) は増加する。

中間の e1<a<e では f(a)=e+e12a+2aloga であるから f(a)=2+2(loga+1)=2loga である。したがって 0<a<1 で減少し、1<a で増加する。よって最小は a=1 でとられ、f(1)=e+e12 である。したがって a=1,minf(a)=e+e12 である。

(3)

まず 2.7<e<2.8 を用いて 2/3<log2<4/5 を示す。 e<2.8 より e2<2.82=7.84<8=23 である。両辺の3乗根を考えると e2/3<2 であるから 23<log2 を得る。

また e>2.7 より e4>2.74=53.1441>32=25 である。両辺の5乗根を考えると 2<e4/5 であるから log2<45 を得る。よって 23<log2<45 である。

次に 0a2 での最大値を求める。(2)で見た増減より、f(a)a=1 まで減少し、その後増加する。したがって最大値は端点 a=0 または a=2 でとられる。 f(0)=ee1 である。一方、e1<2<e なので f(2)=e+e14+4log2 である。差を取ると f(2)f(0)=2e14+4log2 である。ここで e>2.7log2<4/5 を用いるとf(2)f(0)<22.74+165=202745=8135<0となる。したがって f(2)<f(0) であり、最大値は ee1 である。

別解

解法2(中央値と凸性)

方針

exadxは、値 ex と定数 a の絶対偏差の総和である。
最小点は区間の半分ずつを左右に分ける中央値、区間上の最大点は凸性から端点
という見方で、微分計算を整理する。

解答

(1)
ae1 ならf(a)=11(exa)dx=ee12a.e1<a<e では c=loga とおき、f(a)=1c(aex)dx+c1(exa)dx=e+e12a+2aloga.ae ならf(a)=11(aex)dx=2ae+e1.(2)
a を少し増やしたとき、ex<a の部分では絶対値が増え、
ex>a の部分では減る。両部分の長さが等しいときに釣り合うので、
分点は区間 [1,1] の中央 x=0 である。したがってa=e0=1,minf(a)=e+e12.これは絶対偏差を最小にする値が中央値であることの直接的な適用である。

(3)
e2<2.82<8 より e2/3<2
e4>2.74>32 より e4/5>2 だから23<log2<45.f(a) は絶対値関数の積分なので a の凸関数である。したがって
[0,2] での最大値は端点にある。f(0)=ee1,f(2)=e+e14+4log2.さらにf(2)f(0)<22.74+165<0.よって最大値はee1.

総評

難度6、計算量6。目安時間は
24〜30分。
主題は積分・指数・対数・関数である。解法1では誘導に沿った標準的な答案を、解法2では
異なる見方から全小問を再構成した。採点では、途中の必要条件を十分条件まで戻すこと、
場合分けの境界・等号条件・定義域を明記することが重要である。

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出典: 九州大学 2002年度 後期 理系 第3問(大学公式の問題PDF)。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。