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九州大学 2004年度 前期日程 第2次学力試験理系数学 第1問

n=0,1,2,に対してIn=(1)nn!02xnexdxとおく.
ただし,0!=1とする.

(1) I0の値を求め,n=1,2,のときInIn1の関係式を求めよ.
また,これらを用いてI3の値を求めよ.

(2) 0x2に対してexe2であることを利用して,次の不等式を示せ.1n!02xnexdx2e2(23)n1(n=1,2,)(3) 極限limnk=0n(1)k2kk!を求めよ.

難易度6/ 10計算量6/ 10目安20

積分数列関数 部分積分、漸化式の変形、はさみうち

方針

まず部分積分で InIn1 の漸化式を作り、そこから I3 まで順に計算する。(2)では exe2 により積分を02xndxに落とし、残る階乗部分を (n+1)n!23n1 で評価する。(3)は漸化式を足し合わせてIn=e2k=0n(1)k2k/k!1を得て、(2)から In0 を示すことで有限和の極限を決める。

解答

(1) I0=02exdx=e21である。 n1 とする。部分積分により02xnexdx=[xnex]02n02xn1exdx=2ne2n02xn1exdxである。したがってIn=(1)nn!(2ne2n02xn1exdx)=(1)n2ne2n!+(1)n1(n1)!02xn1exdx=In1+(1)n2ne2n!.よって In=In1+(1)n2ne2n!(n=1,2,) である。

これを用いると I1=I02e2=(e2+1), I2=I1+4e22=e21, I3=I28e26=1e23 である。

(2) 0x2 では exe2 だから、n1 に対して1n!02xnexdxe2n!02xndx=e2n!2n+1n+1=2n+1e2(n+1)n!である。

ここで (n+1)n!23n1(n1) を示す。n=1 では両辺とも2で成り立つ。(n+1)n! から (n+2)(n+1)! への倍率は n+2 であり、n1 なら n+23 である。したがって右辺の倍率3以上で増えるので、すべての n1 で上の不等式が成り立つ。

よって2n+1e2(n+1)n!2n+1e223n1=2e2(23)n1である。以上より1n!02xnexdx2e2(23)n1が示された。

(3)

(1) の漸化式を 1 から n まで足し合わせるとIn=I0+e2k=1n(1)k2kk!である。I0=e21 だからIn=e2k=0n(1)k2kk!1となる。

一方、In の絶対値はIn=1n!02xnexdxである。(2)より 0In2e2(23)n1 であり、右辺は n で0に近づく。したがってlimnIn=0である。

ゆえに0=e2limnk=0n(1)k2kk!1となるので、求める極限はlimnk=0n(1)k2kk!=1e2=e2である。

部分積分でつながる In

総評

難度6、計算量6。目安時間は22〜27分。誘導に従って部分積分、評価、極限をつなぐ問題である。(1)では (1)n の符号が漸化式に入るため、In=In1+(1)n2ne2/n! の符号確認が重要になる。(2)は積分評価だけでなく、階乗を指数的に下から押さえる一手が必要である。(3)で有限和を直接扱おうとすると難しいが、In に戻せば(2)のはさみうちがそのまま使える。

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出典: 九州大学 2004年度 前期 数学(大学公式の問題PDF)。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。