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九州大学 2004年度 後期日程 第2次学力試験理系(後期)数学 第1問

次の問いに答えよ.

(1) 1個のサイコロを繰り返し投げる.
1の目が出た時点で投げるのをやめる.
たとえ1の目が出ないとしても,n回サイコロを投げた時点で投げるのをやめる.
このとき,サイコロを投げる回数の期待値を求めよ.

(2) 1個のサイコロを繰り返し投げる.
合計2回1の目が出た時点で投げるのをやめる.
たとえ1の目が出た回数の合計が2回に達しなくても,n回サイコロを投げた時点で投げるのをやめる.
このとき,サイコロを投げる回数の期待値を求めよ.

難易度5/ 10計算量5/ 10目安20

確率数列 期待値、和の計算、余事象

方針

打ち切りのある試行回数の期待値は、「第 k 回を実際に投げる確率」を k=1 から n まで足すと求めやすい。(1)では第 k 回を投げる条件は、それ以前に1が出ていないこと。(2)では第 k 回を投げる条件は、それ以前の k1 回で1の目が0回または1回であること。公比 5/6 の等比和と、j(5/6)j1 型の和を整理して閉じた式にする。

解答

(1)

投げる回数を X とする。X の期待値はE(X)=k=1nP(Xk)で求められる。ここで Xk とは、第 k 回を実際に投げるということである。

k 回を投げるためには、第1回から第 k1 回までに1の目が出ていなければよい。したがって P(Xk)=(56)k1 である。よってE(X)=k=1n(56)k1=1(56)n156=6{1(56)n}である。

(2)

投げる回数を Y とする。同様にE(Y)=k=1nP(Yk)である。

k 回を投げるためには、第1回から第 k1 回までに出た1の目の回数が0回または1回であればよい。q=56 とおくと、k1 回のうち1が0回である確率は qk1 であり、1がちょうど1回である確率は (k1)16qk2 である。ただし k=1 のとき後者は0と考えればよい。

したがって、j=k1 と置き換えるとE(Y)=j=0n1{qj+j16qj1}である。

まずj=0n1qj=1qn1q=6(1qn)である。また、有限等比和の公式からj=1n1jqj1=1nqn1+(n1)qn(1q)2である。1q=1/6 だから16j=1n1jqj1=6{1nqn1+(n1)qn}となる。

よってE(Y)=6(1qn)+6{1nqn1+(n1)qn}=126nqn1+6(n2)qn. q=56 を戻して E(Y)=126n(56)n1+6(n2)(56)n である。

k 回を投げる条件

別解

解法2

方針

停止回数 T についてE(T)=k=1nPr(Tk)を用いる。(2)では第 k 回を投げる直前までの1の出現回数が高々1回であることを数える。

解答

(1)
Tk であるのは最初の k1 回に1が出ないときだからE(T)=k=1n(56)k1=6{1(56)n}.(2)
今度の停止回数を Uq=56 とする。Uk であるには,最初の k1 回で1が0回または1回ならよい。したがってPr(Uk)=qk1+(k1)16qk2.ゆえにE(U)=j=0n1(qj+j6qj1)=126nqn1+6(n2)qn.すなわちE(U)=126n(56)n1+6(n2)(56)n.

総評

難度5、計算量5。目安時間は18〜23分。打ち切り条件があるため、終了時刻の確率を直接並べるより「その回を投げる確率」の和で期待値を出す方が安全である。(2)では第 k 回の前までに1が0回または1回という条件を、k1 回の二項的な数え上げに直す。最後の有限和はやや計算が長いので、q=5/6 と置いて整理し、最後に戻すと符号ミスを減らせる。

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出典: 九州大学 2004年度 後期 数学(大学公式の問題PDF)。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。