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九州大学 2003年度 後期日程 第2次学力試験理系(後期)数学 第3問

座標平面上の原点にある点Pを次のルールで移動させるゲームを考える.

(i) 赤,白,青,黄色の玉がそれぞれ1個ずつ入っている袋の中から
玉を1個取り出して色を見た後で袋に戻す操作を繰り返す.

(ii) 取り出した玉が赤色であれば点Pを現在の座標からx軸の正の方向に1だけ移動させる.
玉が,白,青,黄色であれば,点Pをそれぞれx軸の負の方向,
y軸の正の方向およびy軸の負の方向に1だけ移動させる.

(iii) 点Pを1回移動させるたびに点数1を得る.
ただし,点Pが点A(1,1)に到着した場合は2点加算されて点数3を得る.

(iv) 移動を4回繰り返すか,または点Pが点Aに到着したときに,ゲームは終了する.

このとき,次の問いに答えよ.

(1)Pが点Aに到達する確率を求めよ.

(2) ゲーム終了時の合計点数の期待値を求めよ.

難易度5/ 10計算量5/ 10目安20

確率 数え上げ、期待値、状態分類

方針

A(1,1) に到達できるのは偶数回目だけで、このゲームでは2回目または4回目に限られる。2回目到達と4回目に初めて到達を分けて経路数を数える。期待値は到達時刻ごとの得点を使って求めるか、移動回数の期待値と到達ボーナスに分けて計算する。

解答

(1)
1回の移動を R=(1,0),L=(1,0),U=(0,1),D=(0,1) と書く。点 A(1,1) に到達するには、移動回数は偶数でなければならない。このゲームは最大4回で終わるので、到達する可能性があるのは2回目または4回目である。

2回目に到達するには、RU が1回ずつ出ればよい。順序は RU,UR の2通りである。したがって確率は 242=18 である。

次に、4回目に初めて到達する場合を数える。4回後に (1,1) にいるには、RU に加えて打ち消し合う1組を入れる必要がある。余分な組は R,L または U,D である。

余分な組が R,L のとき、並べる記号は R,R,L,U であり、全体は 4!2!=12 通りである。このうち最初の2回で R,U が出るものはすでに2回目で到達している。最初の2回が RU または UR で、残り2つを並べる場合がそれぞれ2通りあるので、除くべきものは4通りである。よってこの型は8通りである。

余分な組が U,D のときも同様に8通りである。したがって4回目に初めて到達する経路は 8+8=16 通りで、確率は 1644=116 である。

よって到達確率は 18+116=316 である。

(2)
2回目に到達した場合、1回目は1点、2回目は到達により3点なので、合計は 1+3=4 である。4回目に初めて到達した場合、最初の3回は各1点、4回目は3点なので、合計は 1+1+1+3=6 である。到達しない場合は4回移動して各1点なので、合計は4点である。

したがって期待値はE=418+6116+4(1316)=12+38+134=338.別解。得点を「移動による基本点」と「到達時の追加2点」に分けてもよい。2回目到達のときだけ本来4回の移動が2回で終わるので、移動回数の期待値は 218+4(118)=154 である。到達した場合には追加点2点が入るので、追加点の期待値は 2316=38 である。よって E=154+38=338 となる。

別解

解法2(状態遷移とボーナス分解)

方針

到達時刻を2回目・4回目に分け、格子上の状態遷移で初到達経路を数える。得点は移動の基本点と到達ボーナス2点に分ける。

解答

(1)
A=(1,1) へは偶数回目にしか到達できない。

2回目の到達経路はRU,URの2本なのでP(T=2)=242=18.4回後に A にいる経路は、R,UR,L または U,D の打消し組を
加えたものだけである。各型は 4!/2!=12 本、計24本である。このうち2回目に
到達済みの経路は各型4本、計8本だからP(T=4)=24844=116.よってP(到達)=18+116=316.(2)
基本点は移動1回につき1点である。2回目到達の場合だけ移動回数が2となり、それ以外は
4だからE(移動回数)=218+4(118)=154.到達時の追加2点の期待値は2316=38.したがって合計点の期待値は154+38=338.

総評

難度5、計算量5。目安時間は12〜16分。採点ポイントは、到達が2回目と4回目に限られること、4回目到達では2回目にすでに到達した経路を除くこと、得点が到達時刻によって変わることです。

誤りやすいのは、4回後に (1,1) にいる経路をすべて数えてしまい、2回目で終了している経路を混ぜることです。また、到達した移動では1点ではなく3点を得るため、期待値計算では停止時刻と得点を対応させる必要があります。経路数で解いても、基本点とボーナスに分けても同じ値になります。

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出典: 九州大学 2003年度 後期 理系 第3問(大学公式の問題PDF)。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。