Evolton

九州大学 2004年度 後期日程 第2次学力試験理系(後期)数学 第2問

連立不等式0x60y4の表す領域をDとし,
連立不等式0x64<y7の表す領域をEとする.
0t6として,点PO(0,0)A(t,4)B(6,7)を結ぶ折れ線OAB上を
OからBまで移動している.ただし,領域D内では一定の速さuで動き,
領域E内では一定の速さvで動くものとする(u>0,v>0)
また,直線OAと直線x=0がなす角をα,直線ABと直線x=6がなす角をβ
する(0απ2,0βπ2)
このとき,次の問いに答えよ.

(1)POからBまで移動するのに要する時間をf(t)とする.f(t)tの式で表せ.
さらに,f(t)が区間0<t<6において最小値をもつことを証明せよ.

(2)Aが所要時間を最小にする位置にあるときsinαu=sinβvが成り立つことを示せ.

(3)Aが所要時間を最小にする位置にあり,かつβ=2αが成立するとき,
uvの値を求めよ.

難易度6/ 10計算量6/ 10目安20

微分図形と方程式三角関数 微分による最大最小三角比の利用、パラメータ処理

方針

所要時間は、領域 D 内の線分 OA の長さを速さ u で割ったものと、領域 E 内の線分 AB の長さを速さ v で割ったものの和である。f(t) を微分し、端点近くで減少・増加することから最小点が 0<t<6 にあることを示す。最小点では f(t)=0 となり、これを垂直線となす角の正弦 sinα=t/OA, sinβ=(6t)/AB に読み替える。最後は tanα=t/4, tanβ=(6t)/3β=2α から tanα を決める。

解答

(1) OA=t2+42=t2+16 であり、AB=(6t)2+(74)2=(6t)2+9 である。領域 D 内では速さ u、領域 E 内では速さ v で動くので、所要時間は f(t)=t2+16u+(6t)2+9v である。 0<t<6 で微分すると f(t)=tut2+166tv(6t)2+9 である。端点での片側の様子を見ると f(0)=6v45<0,f(6)=6u52>0 である。したがって t=0 の近くでは右へ動かすと f(t) は小さくなり、t=6 の近くでは左へ動かすと f(t) は小さくなる。連続関数 f(t) は閉区間 [0,6] で最小値をもつが、その最小値は端点ではなく、区間 0<t<6 の内部で与えられる。

(2)

最小値を与える点を 0<t<6 とする。この点では f(t)=0 であるから、tut2+16=6tv(6t)2+9 が成り立つ。

α は直線 OA と縦の直線 x=0 がなす角である。OA の長さは t2+16 で、縦方向の成分は4、横方向の成分は t なので sinα=tt2+16 である。

同様に、角 β は直線 AB と縦の直線 x=6 がなす角である。AB の長さは (6t)2+9 で、横方向の成分は 6t なので sinβ=6t(6t)2+9 である。

これらを f(t)=0 の式に代入すると sinαu=sinβv が得られる。

(3) tanαtanβt で表す。角は縦の直線となす角なので tanα=t4,tanβ=6t3 である。 s=tanα とおくと t=4s である。また β=2α より tanβ=tan2α=2s1s2 である。したがって 64s3=2s1s2 を得る。整理すると (64s)(1s2)=6s すなわち 2s33s25s+3=0 である。これは (s12)(2s22s6)=0 と因数分解できる。 0β=2απ2 なので 0απ4、したがって 0s1 である。この範囲に入る解は s=12 だけである。よって tanα=12,cosα=25 である。

(2) より sinαu=sin2αv であり、したがってuv=sinαsin2α=sinα2sinαcosα=12cosα=54である。

二つの領域を通る最短時間経路

総評

難度6、計算量6。目安時間は24〜30分。見た目は光の屈折条件に似ているが、答案では一変数関数 f(t) の最小化として処理すればよい。(1)は端点での片側の減少・増加を述べて、最小点が内部にあることを保証するのが重要である。(2)では角が水平線ではなく縦線となす角なので、sinα が横成分 t/OA になる点に注意する。(3)は β=2α から出る三次式のうち、角度範囲で解を選別する必要がある。

冊子PDFで見る九大の微分の問題で問題集を作る

出典: 九州大学 2004年度 後期 数学(大学公式の問題PDF)。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。