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九州大学 2006年度 前期日程 第2次学力試験文系数学 第3問

空間ベクトルabcについて次の問いに答えよ.
ただし,hkは実数とする.

(1) ha+baと垂直であるとき,
すべての実数xに対して,xa+bha+bが成り立つことを示せ.ただし,0はすべてのベクトルと垂直であるとする.

(2) ha+kb+c
abのいずれとも垂直であるとき,
すべての実数xyに対して,xa+yb+cha+kb+cが成り立つことを示せ.

(3) a=(1,1,1)b=(1,4,2)
c=(3,6,6)とするとき,
xa+yb+cの最小値を与える実数xyと,
そのときの最小値を求めよ.

難易度5/ 10計算量5/ 10目安20

ベクトル論証・証明 内積の利用ベクトル成分計算不等式評価

方針

(1) (2)は,指定されたベクトルを「垂直な残り成分」として分ける。長さの2乗を取れば,垂直な成分どうしの内積が0になり,余分な平方が加わるだけなので最小性が分かる。(3)では ha+kb+ca,b の両方に垂直になるように内積条件を立て,(2)を適用する。

解答

(1) u=ha+b とおく。仮定より ua である。任意の実数 x についてxa+b=(xh)a+uである。右辺の2つのベクトルは垂直なのでxa+b2=(xh)2a2+u2である。第1項は0以上だから xa+b2u2 であり,両辺は長さなのでxa+bha+bを得る。a=0 の場合も,第1項が0になるだけで同じ式が成り立つ。

(2) u=ha+kb+cとおく。仮定より uab のいずれとも垂直である。任意の実数 x,y についてxa+yb+c=(xh)a+(yk)b+uである。(xh)a+(yk)b は,u と垂直である。したがってxa+yb+c2=(xh)a+(yk)b2+u2u2.よってxa+yb+cha+kb+cが成り立つ。

(3) a=(1,1,1),b=(1,4,2),c=(3,6,6)である。ha+kb+ca と垂直である条件は(ha+kb+c)a=0であり,3h+3k3=0 すなわち h+k=1 である。また b と垂直である条件は 3h+21k39=0 すなわち h+7k=13 である。これらを解くと h=1,k=2 である。このときha+kb+c=a+2b+c=(2,1,1)である。よって(2)より,最小値を与えるのは x=1,y=2 であり,その最小値は (2,1,1)=6 である。

総評

抽象的なベクトルの最小化を,垂直成分への分解として書けるかが問われる。目安は20分程度。長さそのものではなく長さの2乗で比べると,垂直条件で交差項が消える。(3)は2本の内積条件 h+k=1h+7k=13 を正確に立てることが得点の中心である。

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出典: 九州大学 2006年度 前期 数学(大学公式の問題PDF)。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。