Evolton

九州大学 2007年度 前期日程 第2次学力試験文系数学 第4問

3辺の長さがそれぞれx22x4x,2で表される三角形がある.
長さx22xの辺は他の2辺より長さが短くないとする.
このとき,次の問いに答えよ.

(1) このような三角形が描けるためのxの満たす範囲を求めよ.

(2) この三角形の最短の辺と向かい合った角の大きさをθとするとき,
cosθxを用いて表せ.

(3) xが(1)で求めた範囲にあるときのcosθの最小値と,
その最小値を与えるxの値を求めよ.

難易度5/ 10計算量5/ 10目安20

図形と方程式三角関数方程式・不等式 三角比の利用、範囲評価、同値変形

方針

まず3つの長さが辺として意味をもつ条件を整理する。4x>0x22x0,さらに指定された辺 x22x が他の2辺より短くないことから,実際には x1+5 が効く。この範囲では x22x が最長辺なので,三角形成立条件は最長辺が他の2辺の和より小さいことに帰着する。(2)では最短辺が 4x であることを確認し,その対角に余弦定理を適用する。(3)は得られた cosθ=32(x2)/x の単調性を見る。

解答

(1)

辺の長さが実数かつ正であるためには x22x0,4x>0 が必要である。すなわち x0 または x2,x<4 である。

さらに,長さ x22x の辺が他の2辺より短くないので,特に x22x2 である。これより x22x4 すなわち x15またはx1+5 である。また x22x4x も必要である。両辺は正なので2乗して x22x(4x)2 すなわち x83 を得る。以上より,実際に残るのは x1+5 である。

この範囲では x22x が最長辺である。三角形が描けるためには,最長辺が他の2辺の和より小さいこと,すなわち x22x<2+(4x)=6x が必要十分である。ここで x<4 なので右辺は正であり,2乗して x22x<(6x)2 となる。整理すると 2x<3612x より x<185 である。したがって求める範囲は 1+5x<185 である。

(2)

(1) の範囲では 4x<2x22x であるから,最短の辺は 4x である。したがって θ は,長さ 4x の辺と向かい合う角である。

余弦定理より (4x)2=(x22x)+2222x22xcosθ である。したがってcosθ=x22x+4(4x)24x22x=6x124x22x=3(x2)2x(x2)=32x2xである。

(3)

(1) の範囲では x>0 である。そこで x2x=12x を見ると,これは x>0 で単調に増加する。平方根も正の範囲で単調に増加するから,cosθ1+5x<185 で単調に増加する。

したがって最小値は左端 x=1+5 でとる。このときx2x=511+5=(51)24=352であるから mincosθ=32352 である。最小値を与える値は x=1+5 である。

範囲内では 4x<2x22x。したがって θ は最短辺 4x の対角である。

総評

難度5,計算量5。三角形成立条件だけでなく,「x22x の辺が他の2辺より短くない」という条件を同時に処理する必要がある。負の x の候補は長さ条件の途中で消えるため,そこを省略せずに確認すると答案が安定する。(2)では最短辺が 4x であることを言ってから余弦定理を使う。最後は 12/x の単調性で十分で,微分まで持ち出す必要はない。目安時間は20分前後。

冊子PDFで見る九大の図形と方程式の問題で問題集を作る

出典: 九州大学 2007年度 数学(大学公式の問題PDF)。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。