方針
(1) は相加平均・相乗平均の基本不等式を、最大値・最小値との大小まで含めて示す。(2)では(1)を各段に適用し、 が単調減少、 が単調増加で、互いに挟み合うことから同じ極限へ向かうことを示す。(3)(4)は平方根を使って差を平方の形に直し、 を と の式に変形する。
解答
(1)
として示せば十分である。このとき である。まず より なので である。また より である。さらに も明らかである。よって が成り立つ。 の場合も同様である。
(2)
である。(1)を に適用すると である。したがって は下に有界な単調減少列、 は上に有界な単調増加列である。よってそれぞれ極限をもつ。これらを とおくと、上の不等式から である。
漸化式 の両辺で極限をとると である。したがって である。よって2つの数列は同じ極限値に収束する。この共通の極限値を と書く。
(3)
定義よりである。したがって である。
(4)
まずであるから である。一方、である。よって となる。
(3) より である。初期値で であり,相加平均と相乗平均の等号条件から各段階でも が続く。したがって は極限 へ厳密に単調減少するので、各 について である。したがって である。以上よりが成り立つ。
別解
解法2
方針
平均の差を平方根の差で表す。(2)では区間 が入れ子になり,その長さが毎回半分未満になることを示して,共通極限を定量的に得る。(4)では という正確な式から評価する。
解答
(1)
としてよい。このときしたがって の場合は文字を入れ替えればよいので,題意の不等式が成り立つ。
(2)
なら(1)の等号条件からである。したがって は の内部にある。
さらによって(1)より は単調減少で下に有界, は単調増加で上に有界だから,それぞれ極限をもつ。(2)より2つの極限の差は0である。したがって両数列は同じ極限に収束する。
(3) (4)であり,したがって(1)より は極限 へ厳密に単調減少するのでこれを(3)へ用いると
総評
難度7、計算量6。相加平均と相乗平均を反復する問題で、単調性と差の評価を丁寧につなぐ必要がある。目安時間は20分程度。(2)では の鎖を作ること、(4)では を で表したうえで分母を と見ることが核心である。 と が同じ極限に収束する理由を、単に「近づく」と書かず、極限を漸化式に代入して示すと答案が締まる。