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九州大学 2017年度 後期日程 第2次学力試験理系(後期)数学 第5問

次の条件によって定められる数列{an}がある。a1=1,a2=1,an+2=an+1+an(n=1,2,3,)以下の問いに答えよ。

(1) 2以上の自然数nに対して,an+2>2anが成り立つことを示せ。

(2) 2以上の自然数mは,
数列{an}の互いに異なるk(k2)の項の和で表されることを,
数学的帰納法によって示せ。

(3) (2)における項の個数kは,k<2log2m+2を満たすことを示せ。

難易度7/ 10計算量5/ 10目安28

数列論証・証明 数学的帰納法不等式評価、存在証明

方針

フィボナッチ型数列の基本性質を使う。(1)はn2an+1>anを確認してから示す。(2)はmに関する帰納法で,m以下の最大の項anを取り,残りr=manan1未満になることを使う。m=anの場合もan=an1+an2で2項に分ける。(3)は(1)からaj2(j2)/2を導き,k個の異なる項の最大添字が少なくともkであることから項数を評価する。

解答

(1)
まずn2では数列は増加していることを確認する。実際,a2=1<a3=2であり,その後は an+1=an+an1>an が成り立つ。したがってn2では an+1>an である。よって an+2=an+1+an>2an が成り立つ。

(2) mに関する数学的帰納法で示す。 m=2のときは 2=a1+a2 であり,互いに異なる2個の項の和で表される。 2,3,,m1について主張が成り立つと仮定し,mについて示す。m以下の最大の項をanとする。すなわち anm<an+1 である。

もしm=anなら,m2よりn3であり an=an1+an2 だから,mは互いに異なる2個の項の和で表される。

次にm>anとする。このとき r=man とおくと,r>0である。またm<an+1=an+an1より r<an1 である。r=1なら m=an+a1 と表せる。ここでn3なので,ana1は異なる項である。 r2なら,帰納法の仮定により,rは互いに異なる2個以上の項の和で表される。しかもr<an1であるから,その表現にan1以上の項は現れない。したがって,そこにanを加えても項は重ならず,mは互いに異なる項の和で表される。以上で帰納法が完了した。

(3)
(1)より,添字を2つ進めるごとに値は2倍より大きくなる。特にj2について aj2(j2)/2 が成り立つ。これはj=2,3で直接確かめられ,その後は(1)を繰り返せばよい。 mを互いに異なるk個の項の和で表したとする。このk個の項の中で最大の添字をrとすると,異なる添字がk個あるので rk である。したがって最大の項は少なくともak以上である。また和mは最大の項だけでなく他の正の項も含むので m>ak である。よって m>ak2(k2)/2 となる。両辺の2を底とする対数をとると log2m>k22 であるから k<2log2m+2 が成り立つ。

別解

解法2

方針

(1) は単調増加性から示す。(2)は m 以下の最大の項を選ぶ貪欲法を強い帰納法として記述する。(3)は添字を2つ進めるごとの増加率から最大添字を評価する。

解答

(1) n2 では an+1>an である。したがってan+2=an+1+an>2an.(2) m に関する強い帰納法を用いる。m=2a1+a2 と表せる。2r<m で主張が成り立つと仮定し,anm<an+1 となる最大の項 an を取る。

m=an ならm=an1+an2でよい。m>an なら r=man とおく。m<an+1=an+an1 より 0<r<an1 である。r=1 なら m=an+a1r2 なら帰納法の仮定で r を互いに異なる項の和にできる。その各項は an1 より小さいため an と重ならない。よって主張が成り立つ。

(3) (1)を繰り返すとaj2(j2)/2(j2).m を異なる k 項の和で表したとき,最大添字は少なくとも k である。さらに最大項以外にも正の項があるのでm>ak2(k2)/2.底2の対数を取ればk<2log2m+2.

総評

難度7,計算量5。目安時間は28分。フィボナッチ型数列を使った表現可能性の証明で,最大の項を引いて残りを帰納法に回す発想が中心である。m=anの場合を別に処理しないと,1項だけの表現になってしまうので注意したい。(3)では和の最大項がak以上で,さらに他の正の項も足されているためm>akとなる。この厳密な不等号が,結論の<につながる。

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出典: 九州大学 2017年度 後期 理系 数学(大学公式の問題PDF)。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。