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九州大学 2013年度 前期日程 第2次学力試験文系数学 第2問

座標平面上で,次の連立不等式の表す領域をDとする。x+2y5,3x+y8,2xy4,x4y7P(x,y)が領域D内を動くとき,x+yの値が最大となる点をQとし,最小となる点をRとする。
以下の問いに答えよ。

(1)Qおよび点Rの座標を求めよ。

(2) a>0かつb>0とする。
P(x,y)が領域D内を動くとき,ax+byが点Qでのみ最大値をとり,点Rでのみ最小値をとるとする。
このとき,abの値の範囲を求めよ。

難易度5/ 10計算量4/ 10目安22

図形と方程式 範囲評価、図形的解釈座標設定

方針

4本の境界直線の交点を求め、すべての不等式を満たす4頂点を確定する。線形関数 x+y は多角形の頂点で最大・最小をとるので、各頂点の値を比較する。(2)では、点Qでのみ最大となる条件をQに接する2辺の外向き法線の正の結合、点Rでのみ最小となる条件をRに接する2辺の法線の正の結合として表し、a/b の2つの開区間の共通部分を取る。

解答

(1)
境界直線を L1:x+2y=5,L2:3x+y=8,L3:2x+y=4,L4:x+4y=7 と書く。ただし後ろ2つは元の不等式を整理したものである。 L1L2 の交点は Q=(115,75) である。この点では x+y=185 となる。また L3L4 の交点は R=(97,107) であり、この点では x+y=197 となる。

他の頂点も境界直線の交点として求められるが、線形関数 x+y は領域の頂点で最大・最小をとる。各頂点で比較すると、最大となる点は Q=(115,75) であり、最小となる点は R=(97,107) である。

(2)
Q は境界 L1,L2 の交点である。ax+byQ でのみ最大となるには、法線ベクトル (a,b)L1,L2 の外向き法線 (1,2),(3,1) の正の係数の和として表されればよい。したがって、ある正の数 λ,μ を用いて (a,b)=λ(1,2)+μ(3,1) と書ける。このとき ab=λ+3μ2λ+μ であり、λ,μ>0 から 12<ab<3 である。

一方、点 R は境界 L3,L4 の交点である。ax+byR でのみ最小となるには、(a,b) が元の不等式 2xy4x4y7 の外向き法線 (2,1),(1,4) の正の係数の和として表されればよい。これは (a,b)(2,1),(1,4) の正の係数の和で表されることと同じである。よって 14<ab<2 である。

両方の条件を同時に満たすには、2つの範囲の共通部分を取ればよい。したがって 12<ab<2 である。端点では最大または最小を辺全体でとってしまうため、「点 Q でのみ」「点 R でのみ」という条件に反する。

青色の四角形が領域 D である。等高線を平行移動すると、
x+y の最大点が Q、最小点が R であることも図から確認できる。

別解

解法2(等高線の傾き)

方針

領域の4頂点を求めて(1)を処理する。(2)は直線 ax+by=c の傾き a/b に注目する。QおよびRで接する2辺の傾きの間に等高線の傾きが厳密に入ることが、各点だけで極値をとる必要十分条件である。端点では辺全体で同じ値をとるため、不等号を厳密にする。

解答

(1)
4本の境界直線のうち、領域 D の隣り合う辺どうしの交点を求めると(115,75),(133,143),(97,107),(3911,2911)である。それぞれで x+y を計算すると185,13,197,1011となる。よってQ=(115,75),R=(97,107)である。

(2)
等高線 ax+by=c の傾きは a/b である。点 Q に接する2辺はx+2y=5,3x+y=8であり、その傾きはそれぞれ 1/2,3 である。等高線を平行移動したとき
Q だけで最大値をとる条件は3<ab<12,すなわち12<ab<3(1)である。

R に接する2辺は 2x+y=4x+4y=7 で、傾きは
2,1/4 である。R だけで最小値をとる条件は2<ab<14,すなわち14<ab<2(2)である。(1)、(2)の共通部分を取って12<ab<2を得る。いずれかの端点では等高線が辺と重なり、極値をとる点が1点に定まらないので除く。

総評

難度5、目安22分。(1)の頂点計算は確実に取りたい。満点の鍵は(2)の「Qでのみ」「Rでのみ」を開区間として処理することである。法線ベクトルの正の結合と等高線の傾きは同じ条件を別方向から見ており、どちらでもよい。境界の傾きの大小を負号付きのまま比較して不等号を逆転し忘れること、端点を含めて辺全体で極値を取らせることが典型的な失点である。図にQ、Rと隣接2辺を書いてから条件を立てると答案が整理される。

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出典: 九州大学 2013年度 前期日程 数学(大学公式の問題PDF)。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。