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九州大学 2013年度 後期日程 第2次学力試験理系(後期)数学 第2問

原点を出発し,数直線上を動く点Pがある。このとき,次の試行Tを考える。

(試行T) Pは,1枚の硬貨を投げて表が出たら正の向きに1だけ移動し,
裏が出たら負の向きに1だけ移動する。
移動後に,Pが原点にあるとき,
あるいは原点からの距離が3,6,9の位置にあるときには,白玉を1個もらう。

この試行Tを10回繰り返すとき,以下の問いに答えよ。

(1) 10回目の試行で初めて白玉をもらう確率を求めよ。

(2) 2回目の試行で初めて白玉をもらい,かつ,その後は白玉をもらわない確率を求めよ。

(3) もらう白玉の総数が1個である確率を求めよ。

(4) もらう白玉の総数が2個である確率を求めよ。

難易度7/ 10計算量6/ 10目安28

確率 数え上げ状態分類、場合分け

方針

白玉をもらう位置を W={0,±3,±6,±9} とする。(1)(2)は白玉位置を避ける経路が、正側または負側で 1,2,1,2, と往復する2通りしかないことを使う。(3)(4)は時刻n、位置p、白玉数kまで区別した経路数 Nn(p,k) を定め、左右1歩の漸化式で10回更新する。総数が各時刻で 2n になることも表で確認して数え落としを防ぐ。

解答

白玉をもらう位置の集合を W={0,±3,±6,±9} とする。10回の硬貨投げはすべて同様に確からしく、全体は 210=1024 通りである。

(1)
白玉をまだもらっていない移動列だけを追う。1回目以後、白玉を避けながら進むには、位置は1回目:±1,2回目:±2,3回目:±1,4回目:±2,と交互に限られる。したがって9回目終了時に白玉を一度ももらっていない位置は ±1 の2通りである。10回目に初めて白玉をもらうには、そこから原点へ移動するしかない。よって有利な移動列は2通りであり、確率は 2210=1512 である。

(2)
2回目で初めて白玉をもらうには、1回目に +1 または 1 に行き、2回目に原点へ戻る必要がある。その後8回は白玉をもらってはならない。

原点から出発して白玉を8回避ける動きは、上と同じ理由で常に2通りである。ただし2回目に原点へ来た直後から見れば、3回目以降の8回で白玉を避ける列は、正負それぞれに交互に動く2通りである。2回目までの戻り方も2通りなので、有利な列は 22=4 通りである。よって確率は 4210=1256 である。

(3)
時刻 n に位置 p、白玉数 k である移動列の数を Nn(p,k) とする。
初期値はN0(0,0)=1であり、それ以外は0である。位置 q へ移ったとき白玉をもらうかどうかをε(q)={1(qW),0(qW)と書けば、更新式はNn+1(q,k)=Nn(q1,kε(q))+Nn(q+1,kε(q))(1)である。

式(1)を順に用い、位置 p について足した個数をまとめると次の表になる。n\k012345合計6218368006472226440001288226100112160256923014424096051210234196440320321024各行の合計が 2n であるため、すべての移動列が重複なく数えられている。
したがって白玉が1個である移動列は34通りである。よってPr(白玉1個)=34210=17512である。

(4)
同じ表から、白玉が2個である移動列は196通りである。したがってPr(白玉2個)=196210=49256である。

総評

難度7、目安28分。(1)(2)は白玉を避ける経路が正負各1通りに固定されることを見抜けば得点しやすい。(3)(4)の中心は、位置だけでなく既得白玉数も状態に含めた更新式である。白玉判定は移動後に行うこと、原点だけでなく ±3,±6,±9 も含めることが典型的な失点箇所である。答案では初期値、更新式、最終表を示し、各行の合計が 2n になる検算を添えると34通り・196通りが単なる結果の提示にならない。

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出典: 九州大学 2013年度 後期日程 数学 第2問(大学公式の問題PDF)。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。