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九州大学 2013年度 後期日程 第2次学力試験理系(後期)数学 第3問

数列{an}{bn}を次式により定める。(a1b1)=(20),(an+1bn+1)=(3423)(anbn)(n=1,2,3,)このとき,以下の問いに答えよ。

(1) すべてのnに対して,xy平面上の点(an,bn)
双曲線x22y2=4の上にあることを証明せよ。

(2) rstは正の実数とし,
行列A=(rr11)が次の関係式を満たすとする。A1(3423)A=(s00t)このとき,rstを求めよ。

(3) 数列{an}{bn}の一般項を求めよ。

難易度6/ 10計算量5/ 10目安24

行列数列 漸化式の変形恒等式比較、計算整理

方針

(1) は成分漸化式を代入して an22bn2 が不変であることを示す。(2)はAの2本の列ベクトルが変換後も同じ向きになることを利用し、成分比較でr,s,t を決める。(3)は an±2bn を作ると、それぞれ公比3±22 の等比数列になることを示し、2式の和と差から一般項を取り出す。

解答

(1)
漸化式を成分で書くと an+1=3an+4bn,bn+1=2an+3bn である。したがって an+122bn+12=(3an+4bn)22(2an+3bn)2 =9an2+24anbn+16bn28an224anbn18bn2=an22bn2 である。初期値は a1=2,b1=0 だから a122b12=4 である。よって帰納的に、すべての nan22bn2=4 が成り立ち、点 (an,bn) は双曲線 x22y2=4 上にある。

(2) A の2つの列ベクトルは(r1),(r1)である。行列M=(3423)について、関係式はM(r1)=s(r1),M(r1)=t(r1)を意味する。

1つ目から(3r+42r+3)=(srs)である。したがって s=2r+3,3r+4=rs であり、代入して 3r+4=r(2r+3) すなわち r2=2 を得る。r>0 より r=2 である。よって s=3+22 である。同様に2つ目から t=322 を得る。

(3)
(2)の計算は、量 an+2bn,an2bn がそれぞれ一定倍されることを表している。実際、漸化式から an+1+2bn+1=(3+22)(an+2bn) であり、an+12bn+1=(322)(an2bn) である。初期値よりa1+2b1=a12b1=2だからan+2bn=2(3+22)n1,an2bn=2(322)n1.2式を足し引きしてan=(3+22)n1+(322)n1,bn=(3+22)n1(322)n12を得る。

別解

解法2(2階漸化式)

方針

(1) (2)は保存量と指定行列の列ベクトルを直接調べる。(3)では1次の連立漸化式からbn を消去し、anbn がともに un+2=6un+1un を満たすことを示す。特性方程式の2解と初期値 (a1,a2)=(2,6)(b1,b2)=(0,4) から一般項を決定する。

解答

(1)
成分漸化式はan+1=3an+4bn,bn+1=2an+3bnである。したがってan+122bn+12=(3an+4bn)22(2an+3bn)2=an22bn2.初期値では a122b12=4 なので、すべての n についてan22bn2=4である。よって (an,bn) は双曲線 x22y2=4 上にある。

(2) M=(3423)とおく。条件 A1MA=diag(s,t)M(r1)=s(r1),M(r1)=t(r1)を意味する。第1式から s=2r+33r+4=rs を得るのでr2=2.r>0 より r=2、したがって s=3+22 である。
第2式も同様に計算して t=322 を得る。よってr=2,s=3+22,t=322.(3)
第1式を1つ進めるとan+2=3an+1+4bn+1=3an+1+4(2an+3bn).ここで 4bn=an+13an を代入するとan+2=6an+1an.(1)同様にbn+2=6bn+1bn(2)である。(1)、(2)の特性方程式λ26λ+1=0の解は 3±22 である。

a1=2,a2=6b1=0,b2=4 を用いて係数を決めるとan=(3+22)n1+(322)n1,bn=(3+22)n1(322)n12となる。

総評

難度6、目安24分。(1)の保存量と(2)の指定された基底が、(3)の一般項へつながる構成である。an±2bn を作る方法が最短だが、連立式から2階漸化式を作る別解も有効である。(2)でAの列ベクトルの順序を入れ替えてs、tを逆にすること、bn の一般項で分母 2 を落とすことが典型ミスである。初期値n=1とn=2を最後に代入して検算すれば、係数と指数n-1の誤りを防げる。

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出典: 九州大学 2013年度 後期日程 数学 第3問(大学公式の問題PDF)。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。