方針
(1) は成分漸化式を代入して が不変であることを示す。(2)はAの2本の列ベクトルが変換後も同じ向きになることを利用し、成分比較で を決める。(3)は を作ると、それぞれ公比 の等比数列になることを示し、2式の和と差から一般項を取り出す。
解答
(1)
漸化式を成分で書くと である。したがって である。初期値は だから である。よって帰納的に、すべての で が成り立ち、点 は双曲線 上にある。
(2) の2つの列ベクトルはである。行列について、関係式はを意味する。
1つ目からである。したがって であり、代入して すなわち を得る。 より である。よって である。同様に2つ目から を得る。
(3)
(2)の計算は、量 がそれぞれ一定倍されることを表している。実際、漸化式から であり、 である。初期値よりだから2式を足し引きしてを得る。
別解
解法2(2階漸化式)
方針
(1) (2)は保存量と指定行列の列ベクトルを直接調べる。(3)では1次の連立漸化式から を消去し、 と がともに を満たすことを示す。特性方程式の2解と初期値 、 から一般項を決定する。
解答
(1)
成分漸化式はである。したがって初期値では なので、すべての についてである。よって は双曲線 上にある。
(2) とおく。条件 はを意味する。第1式から 、 を得るので より 、したがって である。
第2式も同様に計算して を得る。よって(3)
第1式を1つ進めるとここで を代入すると同様にである。(1)、(2)の特性方程式の解は である。
、 を用いて係数を決めるととなる。
総評
難度6、目安24分。(1)の保存量と(2)の指定された基底が、(3)の一般項へつながる構成である。 を作る方法が最短だが、連立式から2階漸化式を作る別解も有効である。(2)でAの列ベクトルの順序を入れ替えてs、tを逆にすること、 の一般項で分母 を落とすことが典型ミスである。初期値n=1とn=2を最後に代入して検算すれば、係数と指数n-1の誤りを防げる。