方針
まず を成分計算し、2次正方行列の二乗の非対角成分が、それぞれ「元の非対角成分×対角成分の和」になることを使って共通因子 を取り出す。(2)は(1)と から背理法で示す。(3)はこの形のAが常に を満たすことを利用し、、 から係数が と決める。(4)は の整数条件を、まず 、次にyの整数性の順で絞る。
解答
(1)
まずである。一般にの非対角成分は 、 である。ここではだから、 の非対角成分はである。これらはともに0である。
ここで なら、共通因子 は0でない。したがって である。よって であり、である。これで(1)が示された。
(2)
もし なら、(1)より である。ところが なので である。 より となり、実数 について である。したがって となる。これは条件 に反する。よって である。
(3)
(2)より である。一方、について直接計算すると である。 かつ なので、実数倍の単位行列 は でなければならない。したがって である。 を代入すると であり、整理して となる。よって である。ここで だと となり不可能なので、 である。したがって であり、 である。
(4) が整数であるとする。(3)の より、整数 は3を割り切る。したがって である。さらに が整数でなければならない。 では のため整数にならない。 では であり、 では である。
よって求める行列はまたはである。
総評
難度7、目安30分。(1)の非対角成分の共通因子、(2)の背理法、(3)の が単位行列の実数倍になることが配点の柱である。 から直ちに とせず、係数が のどちらかで、条件により と決まる順序を守る。整数条件ではxだけから と絞った後、yも整数かを確認しないと を誤って残す。行列積、場合分け、整数確認を小問ごとに分離すると満点答案になる。