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九州大学 2013年度 前期日程 第2次学力試験理系数学 第5問

実数xytに対して,行列A=(xytxx),B=(5465)を考える。(AB)2が対角行列,
すなわち(α00β)の形の行列であるとする。

(1) 命題「3x3y2t0A=tB」を証明せよ。

以下(2),(3),(4)では,さらにA2EかつA4=Eであるとする。ただし,Eは単位行列を表す。

(2) 3x3y2t=0を示せ。

(3) xyをそれぞれtの式で表せ。

(4) xytが整数のとき,行列Aを求めよ。

難易度7/ 10計算量7/ 10目安30

行列 恒等式比較、場合分け、計算整理

方針

まず AB を成分計算し、2次正方行列の二乗の非対角成分が、それぞれ「元の非対角成分×対角成分の和」になることを使って共通因子 3x3y2t を取り出す。(2)は(1)と B2=E から背理法で示す。(3)はこの形のAが常に A2=(x2xyty)E を満たすことを利用し、A4=EA2E から係数が 1 と決める。(4)はx,y,t の整数条件を、まず t3、次にyの整数性の順で絞る。

解答

(1)
まずAB=(5x6y4x5yx5tx4t)である。一般に(pqrs) ⁣2の非対角成分は q(p+s)r(p+s) である。ここではp+s=(5x6y)+(x4t)=2(3x3y2t)だから、(AB)2 の非対角成分は2(4x5y)(3x3y2t),2(x5t)(3x3y2t)である。これらはともに0である。

ここで 3x3y2t0 なら、共通因子 2t+3x3y は0でない。したがって 4x5y=0,5t+x=0 である。よって x=5t,y=4t であり、A=(5t4t6t5t)=tBである。これで(1)が示された。

(2)
もし 3x3y2t0 なら、(1)より A=tB である。ところが B2=E なので A2=t2E,A4=t4E である。A4=E より t4=1 となり、実数 t について t2=1 である。したがって A2=E となる。これは条件 A2E に反する。よって 3x3y2t=0 である。

(3)
(2)より y=x2t3 である。一方、A=(xytxx)について直接計算すると A2=(x2xyty)E である。A4=E かつ A2E なので、実数倍の単位行列 A2A2=E でなければならない。したがって x2xyty=1 である。 y=x2t3 を代入すると x2x(x2t3)t(x2t3)=1 であり、整理して 2t2tx3=1 となる。よって tx=2t2+3 である。ここで t=0 だと 0=3 となり不可能なので、t0 である。したがって x=2t+3t であり、y=4t3+3t である。

(4) x,y,t が整数であるとする。(3)の x=2t+3t より、整数 t は3を割り切る。したがって t=±1,±3 である。さらに y=4t3+3t が整数でなければならない。t=±1 では 4t/3 のため整数にならない。t=3 では x=7,y=5 であり、t=3 では x=7,y=5 である。

よって求める行列は(75107)または(75107)である。

総評

難度7、目安30分。(1)の非対角成分の共通因子、(2)の背理法、(3)の A2 が単位行列の実数倍になることが配点の柱である。A4=E から直ちに A2=E とせず、係数が ±1 のどちらかで、条件により 1 と決まる順序を守る。整数条件ではxだけから t3 と絞った後、yも整数かを確認しないと t=±1 を誤って残す。行列積、場合分け、整数確認を小問ごとに分離すると満点答案になる。

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出典: 九州大学 2013年度 前期日程 数学(大学公式の問題PDF)。問題文はHTML表示のために再入力・数式組版しています。